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英語で小泉八雲『耳なし芳一』(4)

前回は、まずはこの怪談の序章、琵琶を弾くのが上手な芳一の紹介でした。

One summer night the priest was called away, to perform a Buddhist service at the house of a dead parishioner; and he went there with his acolyte, leaving Hoichi alone in the temple. It was a hot night; and the blind man sought to cool himself on the verandah before his sleeping-room. The verandah overlooked a small garden in the rear of the Amidaji.  There Hoichi waited for the priest's return, and tried to relieve his solitude by practicing upon his biwa.


・call away=【句動】 (人を)呼び出す
・perform=【他動】~を行う、実行する、遂行する、執り行う
・perform a Buddhist service= 法事を行う
・parishioner=【名】 (教会の)教区民、ここでは仏教なので「檀家」のことを指す
・acolyte=伴僧(法会・葬儀・修法などのとき、導師に付き従う僧)、助手
・leave~alone=(人)をそっとしておく、ほっておく
・sought to=seek to( ~しようとする)の過去形
・cool oneself=涼む
・verandah=veranda 【名】 ベランダ、縁側
・sleeping-room=寝室
・overlook=【他動】 見渡す、見渡せる<例> I got up before dawn, sat on the hill overlooking the village. (私は夜明け前に起き、村が見渡せる丘に座った)
・in the rear of=~の裏で、~の裏手の
・There:The verandahを指す
・return=【名】 帰宅
・relieve=【他動】 (不安・心配・困難・苦痛を)取り除く、軽減する、和らげる
・solitude=【名】 孤独
・practice upon(=on)=~を練習する<例>practice on the piano ピアノをさらう、ピアノをけいこする
・relieve his solitude by practicing upon his biwa=琵琶をけいこすることで孤独を慰める

ある夏の夜の事、住職は死んだ檀家の家で、仏教の法会を営むように呼ばれたので、芳一だけを寺に残して納所を連れて出て行った。それは暑い晩であったので、盲人芳一は涼もうと思って、寝間の前の縁側に出ていた。この縁側は阿彌陀寺の裏手の小さな庭を見下しているのであった。芳一は住職の帰来を待ち、琵琶を練習しながら自分の孤独を慰めていた。


Midnight passed; and the priest did not appear. But the atmosphere was still too warm for comfort within doors; and Hoichi remained outside. At last he heard steps approaching from the back gate. Somebody crossed the garden, advanced to the verandah, and halted directly in front of him -- but it was not the priest. A deep voice called the blind man's name -- abruptly and unceremoniously, in the manner of a samurai summoning an inferior:--
"Hoichi!"
"Hai!" answered the blind man, frightened by the menace in the voice,-- "I am blind! -- I cannot know who calls!"


・Midnight=【名】 真夜中、夜の12時、午前零時
・appear=【自動】 現れる
・atmosphere=【名】 大気(圏)、空気
・comfort=【名】 快適さ、快適性、心地よさ
・the atmosphere was still too warm for comfort within doors=まだ空気が生暖かすぎて部屋の中に入る気がしなかった
・remain=【自動】 (ある場所に)とどまる
・step=【名】 足の運び、ステップ、歩み
・back gate=裏門、裏口
・hear~…ing=~が…するのが聞こえる<例>I can hear my sister singing. (妹が歌っているのが聞こえる)
・cross=横切る
・advance=【自動】 (目標に向かって)進む
・halt=【自動】 停止する、立ち止まる
・directly=【副】 ちょうど
・deep voice=太い声、低い声
・abruptly=【副】唐突に、無愛想に、ぶっきらぼうに
・unceremoniously=【副】 あっさりと、出し抜けに、突然、さりげなく、ぞんざいに
・in the manner of~=~風の方法、やり方で
・summon=【他動】 命令する
・inferior=【名】 劣った人[物]、下の者
・in the manner of a samurai summoning an inferior=下の者に命令する侍のような物の言い方で
・frightened=being frightened(驚いて)
・menace=【名】脅威(を与えるもの)、脅し<例>menace in one's voice(どすの利いた声)
・I cannot know who calls!=(目が見えないから)どなたが私を呼んでいるのかわからないんです!

夜半も過ぎたが、住職は帰って来なかった。しかし空気はまだなかなか暑くて、戸の内ではくつろぐわけにはいかない、それで芳一は外に居た。やがて、裏門から近よって来る跫音が聞えた。誰れかが庭を横断して、縁側の処へ進みより、芳一のすぐ前に立ち止った――が、それは住職ではなかった。底力のある声が盲人の名を呼んだ――出し抜けに、無作法に、ちょうど、侍が下下(したじた)を呼びつけるような風に――
『芳一!』
 芳一はあまりに吃驚(びっくり)してしばらくは返事も出なかった、すると、その声は厳しい命令を下すような調子で呼ばわった――
『芳一!』
『はい!』と威嚇する声に縮み上って盲人は返事をした――『私は盲目で御座います!――どなたがお呼びになるのか解りません!』


"There is nothing to fear," the stranger exclaimed, speaking more gently. "I am stopping near this temple, and have been sent to you with a message. My present lord, a person of exceedingly high rank, is now staying in Akamagaseki, with many noble attendants. He wished to view the scene of the battle of Dan-no-ura; and today he visited that place. Having heard of your skill in reciting the story of the battle, he now desires to hear your performance: so you will take your biwa and come with me at once to the house where the august assembly is waiting."


・There is nothing to fear=こわがることはない
・stranger=【名】 見知らぬ人
・exclaim=大声で言う
・speaking more gently=and spoke more gently
・gently=【副】 静かに、優しく、穏やかに
・stop=泊る, 滞在する
・message=【名】 伝言
・present=【形】 現在の、今の
・lord=主人
・exceedingly=【副】 非常に
・high rank=高い地位
・noble=【形】 地位の高い、高貴な
・attendant=【名】 従者、お供
・scene=【名】(事件などの) 現場
・Having heard of your skill in reciting the story of the battle,=As he heard of your skill~=その戦いの物語を吟唱できるあなたの腕前の事を聞いたので
・desire to=~したい、~することを望む
・performance=演奏
・will=【助動】 ~しなさい◆will に強勢をおいて発音する◆【用法】主語は通例二人称<例> You will do it yourself. (自分でそれをしなさい)
・so you will take your biwa and come with me at once=だから、琵琶を持ってすぐに私と来なさい
・august=【形】 恐れ多い
・assembly=集合、集まり

見知らぬ人は言葉をやわらげて言い出した、『何も恐わがる事はない、拙者はこの寺の近処に居るもので、お前の許(とこ)へ用を伝えるように言いつかって来たものだ。拙者の今の殿様と云うのは、大した高い身分の方で、今、たくさん立派な供をつれてこの赤間ヶ関に御滞在なされているが、壇ノ浦の戦場を御覧になりたいというので、今日、そこを御見物になったのだ。ところで、お前がその戦争(いくさ)の話を語るのが、上手だという事をお聞きになり、お前のその演奏をお聞きになりたいとの御所望である、であるから、琵琶をもち即刻拙者と一緒に尊い方方の待ち受けておられる家へ来るが宜い』

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