スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

英語で小泉八雲『耳なし芳一』(3)

原作は著作権フリーのThe Project Gutenberg、日本語訳は青空文庫、戸川明三訳


お寺で平家の亡くなった人々の霊を慰める法会が行われても、生きている人たちに対しての悪さはやまなかった…その一つが…

Some centuries ago there lived at Akamagaseki a blind man named Hoichi, who was famed for his skill in recitation and in playing upon the biwa. From childhood he had been trained to recite and to play; and while yet a lad he had surpassed his teachers. As a professional biwa-hoshi he became famous chiefly by his recitations of the history of the Heike and the Genji; and it is said that when he sang the song of the battle of Dan-no-ura "even the goblins [kijin] could not refrain from tears."


・Some centuries ago=何世紀か前に
・there lived=~が住んでいた
there+be動詞以外の自動詞+主語の順で存在・生起・出現・到達などを表し、やや文語的な言い方<例>There once lived a rich merchant in this town.(昔この町に金持ちの商人が住んでいた)
・at Akamagaseki=赤間が関(現在の下関)に
・blind= 【形】 目の不自由な、目の見えない、盲目の
・named Hoichi=芳一という名前の
・be famed for~=~で有名な
・skill=技術、技量、腕前、熟練、うまさ、巧妙、skill in~=~の腕前
・recitation=【名】 暗唱、吟唱、朗読、詳述
・play upon[on]=(楽器)を弾く、<例>play on a harp(ハープを弾く)
・biwa=びわ 【琵琶】 東洋の撥弦(はつげん=弓を使わず、もっぱら弦をはじいて音を出す)楽器。木製で、水滴形の平たい胴に柄がついており、普通四弦であるが五弦のものもある。ペルシャに起こり、インド・中国を経て、奈良時代に日本に渡来。日本では多く撥(ばち)を用いる。全長60~106センチメートル。雅楽に用いる楽琵琶、平曲(平家物語を琵琶に合わせ曲節をつけて語るもの)の伴奏の平家琵琶をはじめ、盲僧琵琶(荒神琵琶)・筑前琵琶・薩摩琵琶などの種類がある。
・his skill in recitation and in playing upon the biwa:in recitationとin playing upon the biwaが同格
・From childhood=子どもの頃から
・he had been trained:この過去の時までずっとという継続の意味で過去完了形になっている
・be trained=訓練される、教え込まれる
・recite=【他動】 暗唱する、朗読する、吟唱する
・he had been trained to recite and to play:to recite とto playが同格
・while= 【接続】 ~なのに、~だが
・lad=【名】 少年、若者、青年
・while yet a lad=while he was yet a lad(彼はまだ若かったのに)
・surpass【他動】 ~を上回る、超える、しのぐ、~に勝る
・As=~として
・professional=【形】 プロ(として)の
・biwa-hoshi= 【琵琶法師】 琵琶の弾き語りを職業とした僧体(法師姿)の盲人音楽家。平安時代から存在した放浪芸人の一種。中世以後は、経文読誦(どくじゆ)を表芸とする盲僧と、専ら平曲を演奏する者の二系統に分かれた。主に後者をさす。
・chiefly=【副】 主として、主に、まず第一に、たいてい、とりわけ
・it is said that=~であるといわれている<例>It is said that those who don't try will never succeed. (挑戦しない人は絶対に成功しない、といわれている)
・famous by=~で有名な<例>He became famous by impersonating TV stars. (彼はテレビスターのものまねで有名になった)
・even=【副】 ~さえ、たとえ~でも、~でも、~でさえ
・goblin=【名】 悪鬼、小鬼、小悪魔、鬼神(きじん、きしん=荒々しく恐ろしい神)
・refrain from~=~を(差し)控える、自制する、こらえる、やめる<例>The doctor asked the sick patient to refrain from smoking. (医者は病人に喫煙を控えるように言った)
・even the goblins could not refrain from tears=鬼神でさえ涙をこらえられなかった


幾百年か以前の事、この赤間ヶ関に芳一という盲人が住んでいたが、この男は吟誦して、琵琶を奏するに妙を得ているので世に聞えていた。子供の時から吟誦し、かつ弾奏する訓練を受けていたのであるが、まだ少年の頃から、師匠達を凌駕していた。本職の琵琶法師としてこの男は重もに、平家及び源氏の物語を吟誦するので有名になった、そして壇ノ浦の戦の歌を謡うと鬼神すらも涙をとどめ得なかったという事である。


At the outset of his career, Hoichi was very poor; but he found a good friend to help him. The priest of the Amidaji was fond of poetry and music; and he often invited Hoichi to the temple, to play and recite. Afterwards, being much impressed by the wonderful skill of the lad, the priest proposed that Hoichi should make the temple his home; and this offer was gratefully accepted. Hoichi was given a room in the temple-building; and, in return for food and lodging, he was required only to gratify the priest with a musical performance on certain evenings, when otherwise disengaged.


・At the outset of=~の最初[冒頭]に、~の当初は
・career=【名】経歴、職歴、履歴
・poetry= 【名】 詩、詩歌、韻文
・invite=【他動】 招待する、招く
・recite=【他動】暗唱する、朗唱する、吟唱する、物語る
・Afterwards=afterward 【副】 あとで、後で、後に、後ほど、その後
・being much impressed by the wonderful skill of the lad:原因・理由を表す分詞構文、be impressed=感動した、skill= 【名】 腕前
・propose that=(that 以下)を提案する
・should=【助動】 ~であるよう◆【用法】提案・要求・希望・決定・必要・妥当などを表す主節に続く that 節内で
・make the temple his home=その寺を家にする=その寺に住む、make=【他動】 ~の状態を作り出す、~にする、<例>They made Jean chairperson.(ジーンを議長にした)
・offer=【名】 申し出、申入れ、提案
・gratefully=【副】 感謝して、喜んで、ありがたく
・accept=【他動】 (申し出などを)引き受ける、受諾する
・accept~gratefully=~をありがたく頂く[ちょうだいする]、~を素直に受け取る
・this offer was gratefully accepted=this offer was gratefully accepted by Hoichi
・in return for=~に対する返礼[返報・お礼・お返し・見返り]として
・lodging=【名】 宿
・be required to=~するように義務付けられる<例> be required to cancel(~を取り消さなければならない)
・gratify=【他動】~を満足させる、楽しませる
・musical performance=演奏
・certain=【形】 いくらかの
・otherwise=【副】 さもなければ、そうしないと、そうでなければ
・disengaged=【形】 (約束がなくて)暇な、手が空いた
・gratify the priest with a musical performance on certain evenings, when otherwise disengaged=他に約束がなくて手があいている夜に、その僧侶に演奏を聞かせて楽しませる

芳一には出世の首途(かどで)の際、はなはだ貧しかったが、しかし助けてくれる深切な友があった。すなわち阿彌陀寺の住職というのが、詩歌や音楽が好きであったので、たびたび芳一を寺へ招じて弾奏させまた、吟誦さしたのであった。後になり住職はこの少年の驚くべき技倆にひどく感心して、芳一に寺をば自分の家とするようにと云い出したのであるが、芳一は感謝してこの申し出を受納した。それで芳一は寺院の一室を与えられ、食事と宿泊とに対する返礼として、別に用のない晩には、琵琶を奏して、住職を悦ばすという事だけが注文されていた。

関連記事
スポンサーサイト

トラックバック一覧

コメント一覧

コメントの投稿

名前

タイトル

メールアドレス

URL

本文

パスワード

非公開コメント管理者にだけ表示を許可する

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。