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英語で小泉八雲『耳なし芳一』(2)

前回は、物語の冒頭、源氏と平家の戦いで滅亡した平家の亡霊にまつわるいろいろな不思議な話が、壇ノ浦のあたりにはあるのだというお話でした。


そして、昔はお話だけではなく……


In former years the Heike were much more restless than they now are. They would rise about ships passing in the night, and try to sink them; and at all times they would watch for swimmers, to pull them down.


・in former years= 以前は
・the Heike=平家の人々
・restless =【形】 (人が)じっとしていられない、せかせかする、そわそわする、落ち着きのない
・would=【助動】 ~したものだった◆過去の短期的な習慣・反復行動を表す。
<例>She would often wash the dishes late at night. (彼女はしばしば夜遅くお皿を洗っていた)
When I lived in New York, I would go shopping with my mother every weekend.( ニューヨークに住んでいたときは、毎週末ごとに母と一緒に買い物に行ったものだった)
・rise=【自動】上がる、のぼる
・about=【副】 周囲に
・ships passing in the night=ships that is passing in the night(分詞passing の形容詞的用法)
・pass=【自動】 通る、過ぎる、通り過ぎる
・try to sink them=沈ませようとする(them=ships)
・at all times=いつも、常に
<例>You should wear a seat belt at all times while you are driving. (運転中はいつもシートベルトをするべきだ)
・watch for=~を待つ、見守る、注意してみる
<例>watch for a suspicious figure(怪しい人物はいないかと監視する[目を光らせる]、不審人物が現れるのを待ち構える)
・to pull them down=to pull~down(~を引き下ろす)は不定詞の副詞用法(意味は「目的」)、them=swimmers

平家の人達は以前は今よりも遥かに焦慮(もが)いていた。夜、漕ぎ行く船のほとりに立ち顕れ、それを沈めようとし、また水泳する人をたえず待ち受けていては、それを引きずり込もうとするのである。


It was in order to appease those dead that the Buddhist temple, Amidaji, was built at Akamagaseki. A cemetery also was made close by, near the beach; and within it were set up monuments inscribed with the names of the drowned emperor and of his great vassals; and Buddhist services were regularly performed there, on behalf of the spirits of them.


・It was in order to appease those dead that the Buddhist temple, Amidaji, was built at Akamagaseki.
お馴染みのIt is ~that・・・の構文。
It=that the Buddhist temple, Amidaji, was built at Akamagaseki
・in order to=~するために
・appease=【他動】 なだめる、和らげる、静める
・those dead=死人、死者:平家の人たちを指している。
・Buddhist temple=仏教寺院、仏寺、仏閣、仏堂
・Amidaji=阿弥陀寺=山口県下関市阿弥陀町にあった寺。中世には浄土宗、近世では真言宗に転じた。安徳天皇鎮魂のため1191年に建立。1875年(明治8)寺を廃して赤間宮となる。現在は赤間神宮という。[写真は赤間神宮の「耳なし芳一像」だそうです]Photo
・Akamagaseki=赤間関(下関の古名)
・cemetery=【名】 墓地、共同墓地
・close by=【形】 すぐ傍らに、すぐ近くに、そばに、間近に
・within it=itは、前の文のcemetery
・were set up monuments=monuments were set up
・set up=建てる、建設する、建築する、建立する
・monument=【名】 記念建造物、記念碑、墓石
・inscribed with the names of the drowned emperor and of his great vassals=which are inscribed with~、whichの先行詞はmonuments
・inscribe=【他動】 刻み込む、彫る
<例>inscribe a stone with someone's name(石に《人》の名前を刻み込む )
・drowned=【形】 おぼれ死んだ
・great=【形】偉い、偉大な、高貴な
・vassal=【名】 (封建時代の)臣下
・Buddhist service=法事、perform a Buddhist service(法事を行う)
・regularly=【副】 定期的に、きちんと
・on behalf of= ~のために、~の利益になるように

これ等の死者を慰めるために建立されたのが、すなわち赤間ヶ関の仏教の御寺なる阿彌陀寺であったが、その墓地もまた、それに接して海岸に設けられた。そしてその墓地の内には入水された皇帝と、その歴歴の臣下との名を刻みつけた幾箇かの石碑が立てられ、かつそれ等の人々の霊のために、仏教の法会がそこで整然(ちゃん)と行われていたのである。


After the temple had been built, and the tombs erected, the Heike gave less trouble than before; but they continued to do queer things at intervals,-- proving that they had not found the perfect peace.


・After the temple had been built, and the tombs erected=After the temple had been built, and the tombs had been erected
「寺や墓が建てられてから~」という完了の意味を表すために過去完了形になっている。
写真は赤間神宮
・erect=【他動】 ~を組み立てる、建築する
・give trouble=手数をかける、困らせる
・queer=【形】 奇妙な、変な
・at intervals=周期的に、時々
・proving that they had not found the perfect peace=and it proved that they had not found the perfect peace(付帯状況を表す分詞構文)
it=they continued to do queer things at intervals
they had not found the perfect peace=過去形の文章の中で「まだ完全な安らぎを見出していない」という「完了、結果」の意味を表すために過去完了形になっている。

この寺が建立され、その墓が出来てから以後、平家の人達は以前よりも禍いをする事が少くなった。しかしそれでもなお引き続いておりおり、怪しい事をするのではあった――彼等が完き平和を得ていなかった事の証拠として。



つまり、この物語のころにはまだ平家の人たちの霊は平安を見出していなかったということですね。

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