スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

英語でアンデルセン童話「雪の女王」19

原点はProject Gutenberg、邦訳は青空文庫、楠山正雄訳を使わせていただきます。

最終章です。

SEVENTH STORY. What Took Place in the Palace of the Snow Queen, and what
Happened Afterward


第七のお話

   雪の女王のお城でのできごとと そののちのお話


The walls of the palace were of driving snow, and the windows and doors of cutting winds. There were more than a hundred halls there, according as the snow was driven by the winds. The largest was many miles in extent; all were lighted up by the powerful Aurora Borealis, and all were so large, so empty, so icy cold, and so resplendent! Mirth never reigned there; there was never even a little bear-ball, with the storm for music, while the polar bears went on their hind legs and showed off their steps. Never a little tea-party of white young lady foxes; vast, cold, and empty were the halls of the Snow Queen. The northern-lights shone with such precision that one could tell exactly when they were at their highest or lowest degree of brightness. In the middle of the empty, endless hall of snow, was a frozen lake; it was cracked in a thousand pieces, but each piece was so like the other, that it seemed the work of a cunning artificer. In the middle of this lake sat the Snow Queen when she was at home; and then she said she was sitting in the Mirror of Understanding, and that this was the only one and the best thing in the world.


・driving=〔雨・風などが〕猛烈な、吹きつける
・cutting=身を切るような
・according as=~次第で、~に従って
・in extent=大きさは
・Aurora Borealis=北極光(オーロラ)
・resplendent=キラキラ輝く、まばゆい
・Mirth=陽気、笑い
・reign=支配する、行き渡る
・ball=(正式な)ダンスパーティー、(大)舞踏会
・polar bear=シロクマ、北極グマ
・hind leg=後ろ足
・show off=見せびらかす
・step=足の運び、ステップ
・northern-lights=オーロラ、北極光
・with precision=絶対的[確実]な精度[正確さ]で
・crack=~にひびを入れる、~を割る
・cunning=抜け目のない、精巧な
・artificer=考案者、熟練工
・Mirror of Understanding=理解の鏡


雪の女王のお城は、はげしくふきたまる雪が、そのままかべになり、窓や戸口は、身をきるような風で、できていました。そこには、百いじょうの広間が、じゅんにならんでいました。それはみんな雪のふきたまったものでした。いちばん大きな広間はなんマイルにもわたっていました。つよい極光(オーロラ)がこの広間をもてらしていて、それはただもう、ばか大きく、がらんとしていて、いかにも氷のようにつめたく、ぎらぎらして見えました。たのしみというものの、まるでないところでした。あらしが音楽をかなでて、ほっきょくぐまがあと足で立ちあがって、気どっておどるダンスの会もみられません。わかい白ぎつねの貴婦人(きふじん)のあいだに、ささやかなお茶(ちゃ)の会(かい)がひらかれることもありません。雪の女王の広間は、ただもうがらんとして、だだっぴろく、そしてさむいばかりでした。極光のもえるのは、まことにきそく正しいので、いつがいちばん高いか、いつがいちばんひくいか、はっきり見ることができました。このはてしなく大きながらんとした雪の広間のまん中に、なん千万という数のかけらにわれてこおった、みずうみがありました。われたかけらは、ひとつひとつおなじ形をして、これがあつまって、りっぱな美術品になっていました。このみずうみのまん中に、お城にいるとき、雪の女王はすわっていました。そしてじぶんは理性(りせい)の鏡のなかにすわっているのだ、この鏡ほどのものは、世界中さがしてもない、といっていました。


Little Kay was quite blue, yes nearly black with cold; but he did not observe it, for she had kissed away all feeling of cold from his body, and his heart was a lump of ice. He was dragging along some pointed flat pieces of ice, which he laid together in all possible ways, for he wanted to make something with them; just as we have little flat pieces of wood to make geometrical figures with, called the Chinese Puzzle. Kay made all sorts of figures, the
most complicated, for it was an ice-puzzle for the understanding. In his eyes the figures were extraordinarily beautiful, and of the utmost importance; for the bit of glass which was in his eye caused this. He found whole figures which represented a written word; but he never could manage to represent just the word he wanted--that word was "eternity"; and the Snow Queen had said, "If you can discover that figure, you shall be your own master, and I will make you a present of the whole world and a pair of new skates." But he could not find it out.


・blue=青ざめた
・she=the Snow Queen
・drag along=~を引きずって歩く
・pointed=先のとがった
・laid together:lay together=一緒に(くっつけて)置く
・geometrical figure=幾何学的図形
・Chinese Puzzle=複雑なパズル、難問
・utmost=最高の
・represent=意味する、示す
・manage to=なんとか~する
・eternity=永遠
・own master 《be one's ~》=誰の干渉も受けない、思うとおりにできる
・make you a present=あなたに進呈する、贈り物をする


カイはここにいて、さむさのため、まっ青に、というよりは、うす黒くなっていました。それでいて、カイはさむさを感じませんでした。というよりは、雪の女王がせっぷんして、カイのからだから、さむさをすいとってしまったからです。そしてカイのしんぞうは、氷のようになっていました。カイは、たいらな、いく枚かのうすい氷の板を、あっちこっちからはこんできて、いろいろにそれをくみあわせて、なにかつくろうとしていました。まるでわたしたちが、むずかしい漢字をくみ合わせるようでした。カイも、この上なく手のこんだ、みごとな形をつくりあげました。それは氷のちえあそびでした。カイの目には、これらのものの形はこのうえなくりっぱな、この世の中で一ばんたいせつなもののようにみえました。それはカイの目にささった鏡のかけらのせいでした。カイは、形でひとつのことばをかきあらわそうとおもって、のこらずの氷の板をならべてみましたが、自分があらわしたいとおもうことば、すなわち、「永遠(えいえん)」ということばを、どうしてもつくりだすことはできませんでした。でも、女王はいっていました。
「もしおまえに、その形をつくることがわかれば、からだも自由になるよ。そうしたら、わたしは世界ぜんたいと、あたらしいそりぐつを、いっそくあげよう。」
 けれども、カイには、それができませんでした。


"I am going now to warm lands," said the Snow Queen. "I must have a look down into the black caldrons." It was the volcanoes Vesuvius and Etna that she meant. "I will just give them a coating of white, for that is as it ought to be; besides, it is good for the oranges and the grapes." And then away she flew, and Kay sat quite alone in the empty halls of ice that were miles long, and looked at the blocks of ice, and thought and thought till his skull was
almost cracked. There he sat quite benumbed and motionless; one would have imagined he was frozen to death.


・caldron=大釜
・volcanoe=火山
・Vesuvius=イタリア・カンパニア州にある火山。ナポリから東へ約9キロメーターのナポリ湾岸にある。紀元79年8月24日の大噴火で、噴出物(火砕流)でポンペイ市をを埋没させたことは有名。
・Etna=イタリア南部シチリア島の東部にある活火山。
・coating=塗装、上塗り
・skull=頭蓋骨
・benumbed=感覚を失った、麻痺した
・one would have imagined=誰かが見たら~と思っただろう


「これから、わたしは、あたたかい国を、ざっとひとまわりしてこよう。」と、雪の女王はいいました。「ついでにそこの黒なべをのぞいてくる。」黒なべというのは、*エトナとかヴェスヴィオとか、いろんな名の、火をはく山のことでした。「わたしはすこしばかり、それを白くしてやろう。ぶどうやレモンをおいしくするためにいいそうだから。」

*エトナはイタリア半島の南シシリー島の火山。ヴェスヴィオはおなじくナポリ市の東方にある火山。

 こういって、雪の女王は、とんでいってしまいました。そしてカイは、たったひとりぼっちで、なんマイルというひろさのある、氷の大広間のなかで、氷の板を見つめて、じっと考えこんでいました。もう、こちこちになって、おなかのなかの氷が、みしりみしりいうかとおもうほど、じっとうごかずにいました。それをみたら、たれも、カイはこおりついたなり、死んでしまったのだとおもったかもしれません。


Suddenly little Gerda stepped through the great portal into the palace. The gate was formed of cutting winds; but Gerda repeated her evening prayer, and the winds were laid as though they slept; and the little maiden entered the vast, empty, cold halls. There she beheld Kay: she recognised him, flew to embrace him, and cried out, her arms firmly holding him the while, "Kay, sweet little Kay! Have I then found you at last?"


・portal=正門、玄関
・laid:lay(~を鎮める、静める)の過去分詞
・beheld:behold(見る)の過去形
・recognise=(人の)見分けがつく、(だれそれと)わかる
・flew:fly(飛ぶように走る)の過去形
・embrace=抱きしめる
・sweet=大切な、いとしいSave0011


ちょうどそのとき、ゲルダは大きな門を通って、その大広間にはいってきました。そこには、身をきるような風が、ふきすさんでいましたが、ゲルダが、ゆうべのおいのりをあげると、ねむったように、しずかになってしまいました。そして、ゲルダは、いくつも、いくつも、さむい、がらんとしたひろまをぬけて、――とうとう、カイをみつけました。ゲルダは、カイをおぼえていました。で、いきなりカイのくびすじにとびついて、しっかりだきしめながら、
「カイ、すきなカイ。ああ、あたしとうとう、みつけたわ。」と、さけびました。


But he sat quite still, benumbed and cold. Then little Gerda shed burning tears; and they fell on his bosom, they penetrated to his heart, they thawed the lumps of ice, and consumed the splinters of the looking-glass; he looked at her, and she sang the hymn:

"The rose in the valley is blooming so sweet,
And angels descend there the children to greet."


・benumbed=麻痺した、感覚を失った
・shed=(涙を)流す
・burning=激しい、ひどい
・bosom=胸
・thaw=雪解けする、解凍する
・consume=消滅させる、使い尽くす
・splinter=破片:[2-(2)参照]
・looking-glass=鏡、姿見
・hymn=賛美歌
・descend=降りる、下ろす


けれども、カイは身ゆるぎもしずに、じっとしゃちほこばったなり、つめたくなっていました。そこで、ゲルダは、あつい涙を流して泣きました。それはカイのむねの上におちて、しんぞうのなかにまで、しみこんで行きました。そこにたまった氷をとかして、しんぞうの中の、鏡のかけらをなくなしてしまいました。カイは、ゲルダをみました。ゲルダはうたいました。


ばらのはな さきてはちりぬ
おさな子エス やがてあおがん


Hereupon Kay burst into tears; he wept so much that the splinter rolled out of his eye, and he recognised her, and shouted, "Gerda, sweet little Gerda! Where have you been so long? And where have I been?" He looked round him. "How cold it is here!" said he. "How empty and cold!" And he held fast by Gerda, who laughed and wept for joy. It was so beautiful, that even the blocks of ice danced about for joy; and when they were tired and laid themselves down, they formed exactly the letters which the Snow Queen had told him to find out; so
now he was his own master, and he would have the whole world and a pair of new skates into the bargain.


・Hereupon=このあと、ここに至って
・the letters:"eternity"[7-(1)参照]
・own master=《be one's ~》誰の干渉も受けない、思うとおりにできる
・into the bargain=おまけに、さらに


すると、カイはわっと泣きだしました。カイが、あまりひどく泣いたものですから、ガラスのとげが、目からぽろりとぬけてでてしまいました。すぐとカイは、ゲルダがわかりました。そして、大よろこびで、こえをあげました。
「やあ、ゲルダちゃん、すきなゲルダちゃん。――いままでどこへいってたの、そしてまた、ぼくはどこにいたんだろう。」こういって、カイは、そこらをみまわしました。「ここは、ずいぶんさむいんだなあ。なんて大きくて、がらんとしているんだろうなあ。」
 こういって、カイは、ゲルダに、ひしととりつきました。ゲルダは、うれしまぎれに、泣いたり、わらったりしました。それがあまりたのしそうなので、氷の板きれまでが、はしゃいでおどりだしました。そして、おどりつかれてたおれてしまいました。そのたおれた形が、ひとりでに、ことばをつづっていました。それは、もしカイに、そのことばがつづれたら、カイは自由になれるし、そしてあたらしいそりぐつと、のこらずの世界をやろうと、雪の女王がいった、そのことばでした。


Gerda kissed his cheeks, and they grew quite blooming; she kissed his eyes, and they shone like her own; she kissed his hands and feet, and he was again well and merry. The Snow Queen might come back as soon as she liked; there stood his discharge written in resplendent masses of ice.


・blooming=はつらつとした
・merry=楽しい、陽気な
・discharge=解放
・resplendent=キラキラ輝く、まばゆい


ゲルダは、カイのほおにせっぷんしました。みるみるそれはぽおっと赤くなりました。それからカイの目にもせっぷんしました。すると、それはゲルダの目のように、かがやきだしました。カイの手だの足だのにもせっぷんしました。これで、しっかりしてげんきになりました。もうこうなれば、雪の女王がかえってきても、かまいません。だって、女王が、それができればゆるしてやるといったことばが、ぴかぴかひかる氷のもんじで、はっきりとそこにかかれていたからです。


They took each other by the hand, and wandered forth out of the large hall; they talked of their old grandmother, and of the roses upon the roof; and wherever they went, the winds ceased raging, and the sun burst forth. And when they reached the bush with the red berries, they found the Reindeer waiting for them. He had brought another, a young one, with him, whose udder was filled with milk, which he gave to the little ones, and kissed their lips. They then carried Kay and Gerda--first to the Finland woman, where they warmed themselves in the warm room, and learned what they were to do on their journey home; and they went to the Lapland woman, who made some new clothes for them and repaired their sledges.


・wander=歩き回る、さまよう
・udder=〔牛・ヤギなどの垂れた〕乳房


さて、そこでふたりは手をとりあって、その大きなお城からそとへでました。そして、うちのおばあさんの話だの、屋根の上のばらのことなどを、語りあいました。ふたりが行くさきざきには、風もふかず、お日さまの光がかがやきだしました。そして、赤い実(み)のなった、あの木やぶのあるところにきたとき、そこにもう、となかいがいて、ふたりをまっていました。そのとなかいは、もう一ぴきのわかいとなかいをつれていました。そして、このわかいほうは、ふくれた乳ぶさからふたりのこどもたちに、あたたかいおちちを出してのませてくれて、そのくちの上にせっぷんしました。それから二ひきのとなかいは、カイとゲルダをのせて、まずフィンランドの女のところへ行きました。そこでふたりは、あのあついへやで、じゅうぶんからだをあたためて、うちへかえる道をおしえてもらいました。それからこんどは、ラップランドの女のところへいきました。その女は、ふたりにあたらしい着物をつくってくれたり、そりをそろえてくれたりしました。


The Reindeer and the young hind leaped along beside them, and accompanied them to the boundary of the country. Here the first vegetation peeped forth; here Kay and Gerda took leave of the Lapland woman. "Farewell! Farewell!" they all said. And the first green buds appeared, the first little birds began to chirrup; and out of the wood came, riding on a magnificent horse, which Gerda knew (it was one of the leaders in the golden carriage), a young damsel with a bright-red cap on her head, and armed with pistols. It was the little robber maiden, who, tired of being at home, had determined to make a journey to the north; and afterwards in another direction, if that did not please her. She recognised Gerda immediately, and Gerda knew her too. It was a joyful meeting.


・hind=雌鹿
・boundary=境界
・vegetation=植物
・peep=姿を現す
・chirrup=〔鳥や虫が〕チュッチュッと鳴く
・wood=森
・magnificent=堂々とした、立派な
・carriage=〔大型の四輪〕馬車
・damsel=〈古・詩〉乙女


となかいと、もう一ぴきのとなかいとは、それなり、ふたりのそりについてはしって、国境(くにざかい)までおくってきてくれました。そこでは、はじめて草の緑が[#「が」は底本では「か」]もえだしていました。カイとゲルダとは、ここで、二ひきのとなかいと、ラップランドの女とにわかれました。
「さようなら。」と、みんなはいいました。そして、はじめて、小鳥がさえずりだしました。森には、緑の草の芽が、いっぱいにふいていました。
 その森の中から、うつくしい馬にのった、わかいむすめが、赤いぴかぴかするぼうしをかぶり、くらにピストルを二ちょうさして、こちらにやってきました。ゲルダはその馬をしっていました。(それは、ゲルダの金(きん)の馬車をひっぱった馬であったからです。)そして、このむすめは、れいのおいはぎのこむすめでした。この女の子は、もう、うちにいるのがいやになって、北の国のほうへいってみたいとおもっていました。そしてもし、北の国が気にいらなかったら、どこかほかの国へいってみたいとおもっていました。このむすめは、すぐにゲルダに気がつきました。ゲルダもまた、このむすめをみつけました。そして、もういちどあえたことを、心からよろこびました。


"You are a fine fellow for tramping about," said she to little Kay; "I should like to know, faith, if you deserve that one should run from one end of the world to the other for your sake?"


・tramp about=歩き回る、さまよう
・faith=<古>実に、全く
・deserve=~を受けるに値する


「おまえさん、ぶらつきやのほうでは、たいしたおやぶんさんだよ。」と、そのむすめは、カイにいいました。「おまえさんのために、世界のはてまでもさがしにいってやるだけのねうちが、いったい、あったのかしら。」


But Gerda patted her cheeks, and inquired for the Prince and Princess.

"They are gone abroad," said the other.


・Prince and Princess、the Ravenは第4話に出てきました。


けれども、ゲルダは、そのむすめのほおを、かるくさすりながら、王子と王女とは、あののちどうなったかとききました。
「あの人たちは、外国へいってしまったのさ。」と、おいはぎのこむすめがこたえました。


"But the Raven?" asked little Gerda.

"Oh! The Raven is dead," she answered. "His tame sweetheart is a widow, and wears a bit of black worsted round her leg; she laments most piteously, but it's all mere talk and stuff! Now tell me what you've been doing and how you managed to catch him."


・worsted=梳(そ)毛糸、毛織物の一種、ウーステッド
・and stuff=~など、みたいなもの

And Gerda and Kay both told their story.


「それで、からすはどうして。」と、ゲルダはたずねました。
「ああ、からすは死んでしまったよ。」と、むすめがいいました。「それでさ、おかみさんがらすも、やもめになって、黒い毛糸の喪章(もしょう)を足につけてね、ないてばかりいるっていうけれど、うわさだけだろう。さあ、こんどは、あれからどんな旅をしたか、どうしてカイちゃんをつかまえたか、話しておくれ。」
そこで、カイとゲルダとは、かわりあって、のこらずの話をしました。


And "Schnipp-schnapp-schnurre-basselurre," said the robber maiden; and she took the hands of each, and promised that if she should some day pass through the town where they lived, she would come and visit them; and then away she rode. Kay and Gerda took each other's hand: it was lovely spring weather, with abundance of flowers and of verdure. The church-bells rang, and the children recognised the high towers, and the large town; it was that in which they dwelt. They entered and hastened up to their grandmother's room, where everything was standing as formerly. The clock said "tick! tack!" and the finger moved round; but as they entered, they remarked that they were now grown up. The roses on the leads hung blooming in at the open window; there stood the little children's chairs, and Kay and Gerda sat down on them, holding each other by the hand; they both had forgotten the cold empty splendor of the Snow Queen, as though it had been a dream. The grandmother sat in the bright sunshine, and read aloud from the Bible: "Unless ye become as little children, ye cannot enter the kingdom of heaven."


・Schnipp-schnapp-schnurre-basselurre:楠山氏訳は「そこで、よろしく、ちんがらもんがらか、でも、まあうまくいって、よかったわ。」楠山氏自身は東京生まれのようですが、「ちんがら」は、宮崎の方言に「めちゃくちゃ」って意味であるようなんですが、これでしょうか。原文も韻を踏んでいるから、「ひっちゃかめっちゃか」ってとこかな(笑)
・abundance of=多数の
・verdure=緑草、新緑
・dwelt=dwell の過去・過去分詞形
・formerly=以前は
・finger=時計の針:動いているのが見えると言うことは長針でしょうか。
・leads=トタン屋根
・splendor=壮観、見事なもの
・from the Bible: "Unless ye become as little children, ye cannot enter the kingdom of heaven.":マタイ福音書18章3節「心を入れ替えて幼な子のようにならなければ、天国に入ることはできないだろう」


「そこで、よろしく、ちんがらもんがらか、でも、まあうまくいって、よかったわ。」と、むすめはいいました。
 そして、ふたりの手をとって、もしふたりのすんでいる町を通ることがあったら、きっとたずねようと、やくそくしました。それから、むすめは馬をとばして、ひろい世界へでて行きました。でも、カイとゲルダとは、手をとりあって、あるいていきました。いくほど、そこらが春めいてきて、花がさいて、青葉がしげりました。お寺の鐘(かね)がきこえて、おなじみの高い塔(とう)と、大きな町が見えてきました。それこそ、ふたりがすんでいた町でした。そこでふたりは、おばあさまの家の戸口へいって、かいだんをあがって、へやへはいりました。そこではなにもかも、せんとかわっていませんでした。柱どけいが「カッチンカッチン」いって、針がまわっていました。けれど、その戸口をはいるとき、じぶんたちが、いつかもうおとなになっていることに気がつきました。おもての屋根(やね)のといの上では、ばらの花がさいて、ひらいた窓から、うちのなかをのぞきこんでいました。そしてそこには、こどものいすがおいてありました。カイとゲルダとは、めいめいのいすにこしをかけて、手をにぎりあいました。ふたりはもう、あの雪の女王のお城のさむい、がらんとした、そうごんなけしきを、ただぼんやりと、おもくるしい夢のようにおもっていました。おばあさまは、神さまの、うららかなお日さまの光をあびながら、「なんじら、もし、おさなごのごとくならずば、天国にいることをえじ。」と、高らかに聖書(せいしょ)の一せつをよんでいました。


And Kay and Gerda looked in each other's eyes, and all at once they understood the old hymn:

"The rose in the valley is blooming so sweet,
And angels descend there the children to greet."

There sat the two grown-up persons; grown-up, and yet children; children at least in heart; and it was summer-time; summer, glorious summer!Save0012


・hymn=賛美歌


カイとゲルダとは、おたがいに、目と目を見あわせました。そして、


ばらのはな さきてはちりぬ
おさな子エスやがてあおがん


というさんび歌のいみが、にわかにはっきりとわかってきました。
 こうしてふたりは、からだこそ大きくなっても、やはりこどもで、心だけはこどものままで、そこにこしをかけていました。
 ちょうど夏でした。あたたかい、みめぐみあふれる夏でした。


以上で『雪の女王』を終わります。

関連記事
スポンサーサイト

トラックバック一覧

コメント一覧

コメントの投稿

名前

タイトル

メールアドレス

URL

本文

パスワード

非公開コメント管理者にだけ表示を許可する

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。