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英語でアンデルセン童話「雪の女王」18

原点はProject Gutenberg、邦訳は青空文庫、楠山正雄訳を使わせていただきます。

前回は、ReindeerがFinland womanに、どうかゲルダに雪の女王に打ち勝つ力を与えてほしいと頼んだところでした。


But the Reindeer begged so hard for little Gerda, and Gerda looked so imploringly with tearful eyes at the Finland woman, that she winked, and drew the Reindeer aside into a corner, where they whispered together, while the animal got some fresh ice put on his head.


・imploringly=懇願して
・drew~aside:draw~aside=~を脇に引き寄せる[引っ張っていく]、~を脇へ連れていく


でも、となかいは、かわいいゲルダのために、またいっしょうけんめい、その女の人にたのみました。ゲルダも目に涙をいっぱいためて、おがむように、フィンランドの女を見あげました。女はまた目をしばたたきはじめました。そして、となかいをすみのほうへつれていって、そのあたまにあたらしい氷をのせてやりながら、こうつぶやきました。


"'Tis true little Kay is at the Snow Queen's, and finds everything there quite to his taste; and he thinks it the very best place in the world; but the reason of that is, he has a splinter of glass in his eye, and in his heart. These must be got out first; otherwise he will never go back to mankind, and the Snow Queen will retain her power over him."


・quite=まったく
・to his taste=好みに合った、気に入った
・splinter=破片
・got out:get out=取り出す
・retain=持ち続ける


「カイって子は、ほんとうに雪の女王のお城にいるのだよ。そして、そこにあるものはなんでも気にいってしまって、世界にこんないいところはないとおもっているんだよ。けれどそれというのも、あれの目のなかには、鏡のかけらがはいっているし、しんぞうのなかにだって、ちいさなかけらがはいっているからなのだよ。だからそんなものを、カイからとりだしてしまわないうちは、あれはけっしてまにんげんになることはできないし、いつまでも雪の女王のいうなりになっていることだろうよ。」


とにかく、カイの目と心に入ったガラスの破片を取り除くこと……


"But can you give little Gerda nothing to take which will endue her with power over the whole?"


"I can give her no more power than what she has already. Don't you see how great it is? Don't you see how men and animals are forced to serve her; how well she gets through the world barefooted? She must not hear of her power from us; that power lies in her heart, because she is a sweet and innocent child! If she cannot get to the Snow Queen by herself, and rid little Kay of the glass, we cannot help her. Two miles hence the garden of the Snow Queen begins; thither you may carry the little girl. Set her down by the large bush with red berries, standing in the snow; don't stay talking, but hasten back as fast as possible." And now the Finland woman placed little Gerda on the Reindeer's back, and off he ran with all imaginable speed.


・endue=(才能などを)賦与する
・over the whole=すべてにわたる
・She must not hear of her power from us:みんながゲルダのために何かせずにはいられなくなる、そういう力がゲルダにある、でもそれをゲルダに知らせてはいけない、意識させてはいけない、その力は純粋なゲルダの心にあるのだから、ということでしょうか。
・sweet=優しい、思いやりのある
・innocent=純真な、邪心の無い
・rid…of~=…から~(望ましくないもの)を取り除く
・hence=ここから
・thither=あそこへ
・berries:berry=(イチゴ、ブドウなどの)実
・imaginable=想像できる限りの


20070914130904






「では、どんなものにも、うちかつことのできる力になるようなものを、ゲルダちゃんにくださるわけにはいかないでしょうか。」
「このむすめに、うまれついてもっている力よりも、大きな力をさずけることは、わたしにはできないことなのだよ。まあ、それはおまえさんにも、あのむすめがいまもっている力が、どんなに大きな力だかわかるだろう。ごらん、どんなにして、いろいろと人間やどうぶつが、あのむすめひとりのためにしてやっているか、どんなにして、はだしのくせに、あのむすめがよくもこんなとおくまでやってこられたか。それだもの、あのむすめは、わたしたちから、力をえようとしてもだめなのだよ。それはあのむすめの心のなかにあるのだよ。それがかわいいむじゃきなこどもだというところにあるのだよ。もし、あのむすめが、自分で雪の女王のところへ、でかけていって、カイからガラスのかけらをとりだすことができないようなら、まして、わたしたちの力におよばないことさ。もうここから二マイルばかりで、雪の女王のお庭の入口になるから、おまえはそこまで、あの女の子をはこんでいって、雪の中で、赤い実(み)をつけてしげっている、大きな木やぶのところに、おろしてくるがいい。それで、もうよけいな口をきかないで、さっさとかえっておいで。」
 こういって、フィンランドの女は、ゲルダを、となかいのせなかにのせました。そこで、となかいは、ぜんそくりょくで、はしりだしました。


"Oh! I have not got my boots! I have not brought my gloves!" cried little Gerda. She remarked she was without them from the cutting frost; but the Reindeer dared not stand still; on he ran till he came to the great bush with the red berries, and there he set Gerda down, kissed her mouth, while large bright tears flowed from the animal's eyes, and then back he went as fast as possible. There stood poor Gerda now, without shoes or gloves, in the very middle of dreadful icy Finland.


・remark=~に気付く
・cutting frost=身を切るような寒気
・dare=あえて~する
・bright=輝く
・dreadful=恐ろしい


「ああ、あたしは、長ぐつをおいてきたわ。手ぶくろもおいてきてしまった。」と、ゲルダはさけびました。
 とたんに、ゲルダは身をきるようなさむさをかんじました。でも、となかいはけっしてとまろうとはしませんでした。それは赤い実(み)のなった木やぶのところへくるまで、いっさんばしりに、はしりつづけました。そして、そこでゲルダをおろして、くちのところにせっぷんしました。
 大つぶの涙が、となかいの頬(ほお)を流れました。それから、となかいはまた、いっさんばしりに、はしっていってしまいました。かわいそうに、ゲルダは、くつもはかず、手ぶくろもはめずに、氷にとじられた、さびしいフィンマルケンのまっただなかに、ひとりとりのこされて立っていました。


She ran on as fast as she could. There then came a whole regiment of snow-flakes, but they did not fall from above, and they were quite bright and shining from the Aurora Borealis. The flakes ran along the ground, and the nearer they came the larger they grew. Gerda well remembered how large and strange the snow-flakes appeared when she once saw them through a magnifying-glass; but now they were large and terrific in another manner--they were all alive. They were the outposts of the Snow Queen. They had the most wondrous shapes; some looked like large ugly porcupines; others like snakes knotted together, with their heads sticking out; and others, again, like small fat bears, with the hair standing on end: all were of dazzling whiteness--all were living snow-flakes.


・a whole regiment of=非常にたくさんの
・Aurora Borealis=北極光(オーロラ):aurora australis=南極光
・magnifying-glass=ルーペ、拡大鏡、虫眼鏡
・terrific=〔大きさや程度などが〕激しい、ものすごい、〈古〉怖い、恐ろしい
・in another manner=違った風に、違ったやり方で
・outpost=前哨基地、出先機関
・wondrous=驚くべき
・porcupine=《動物》ヤマアラシ
・knotted=もつれた
・on end=直立して


ゲルダは、いっしょうけんめいかけだしました。すると、雪の大軍が、むこうからおしよせてきました。
 けれど、その雪は、空からふってくるのではありません。空は極光(オーロラ)にてらされて、きらきらかがやいていました。雪は地面の上をまっすぐに走ってきて、ちかくにくればくるほど、形が大きくなりました。ゲルダは、いつか虫めがねでのぞいたとき、雪のひとひらがどんなにか大きくみえたことを、まだおぼえていました。けれども、ここの雪はほんとうに、ずっと大きく、ずっとおそろしくみえました。この雪は生きていました。それは雪の女王の前哨(ぜんしょう)でした。そして、ずいぶんへんてこな形をしていました。大きくてみにくい、やまあらしのようなものもいれば、かまくびをもたげて、とぐろをまいているへびのようなかっこうのもあり、毛のさかさにはえた、ふとった小ぐまににたものもありました。それはみんなまぶしいように、ぎらぎら白くひかりました。これこそ生きた雪の大軍でした。


Little Gerda repeated the Lord's Prayer. The cold was so intense that she could see her own breath, which came like smoke out of her mouth. It grew thicker and thicker, and took the form of little angels, that grew more and more when they touched the earth. All had helms on their heads, and lances and shields in their hands; they increased in numbers; and when Gerda had finished the Lord's Prayer, she was surrounded by a whole legion. They thrust at the horrid snow-flakes with their spears, so that they flew into a thousand pieces; and little Gerda walked on bravely and in security. The angels patted her hands and feet; and then she felt the cold less, and went on quickly towards the palace of the Snow Queen.


・Lord's Prayer=主の祈り
・grew:grow=大きくなる
・helm=〔古〕かぶと(helmet)
・lance=槍
・shield=盾
・legion=【史】(古代ローマの)軍団、軍
・thrust:thrust(突き刺す)の過去・過去分詞形
・horrid=恐ろしい、ひどく嫌な
・spear=やり
・in security=安全に、無事に20070914133328






そこでゲルダは、いつもの主(しゅ)の祈の「われらの父」をとなえました。さむさはとてもひどくて、ゲルダはじぶんのつくいきを見ることができました。それは、口からけむりのようにたちのぼりました。そのいきはだんだんこくなって、やがてちいさい、きゃしゃな天使になりました。それが地びたにつくといっしょに、どんどん大きくなりました。天使たちはみな、かしらにはかぶとをいただき、手には楯(たて)とやりをもっていました。天使の数はだんだんふえるばかりでした。そして、ゲルダが主のおいのりをおわったときには、りっぱな天使軍の一たいが、ゲルダのぐるりをとりまいていました。天使たちはやりをふるって、おそろしい雪のへいたいをうちたおすと、みんなちりぢりになってしまいました。そこでゲルダは、ゆうきをだして、げんきよく進んで行くことができました。天使たちは、ゲルダの手と足とをさすりました。するとゲルダは、前ほどさむさを感じなくなって、雪の女王のお城をめがけていそぎました。


But now we shall see how Kay fared. He never thought of Gerda, and least of all that she was standing before the palace. 


・fare=やっていく
・least of all ~=最も~ない:「宮殿の前にゲルダがいるなんて最もカイが思い付かなかったことだ」


ところで、カイは、あののち、どうしていたでしょう。それからまずお話をすすめましょう。カイは、まるでゲルダのことなど、おもってはいませんでした。だから、ゲルダが、雪の女王のごてんまできているなんて、どうして、ゆめにもおもわないことでした。


さあ、いよいよ再会!

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