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英語でアンデルセン童話「雪の女王」16

原点はProject Gutenberg、邦訳は青空文庫、楠山正雄訳を使わせていただきます。

Then the Wood-pigeons said, "Coo! Coo! We have seen little Kay! A white hen carries his sledge; he himself sat in the carriage of the Snow Queen, who passed here, down just over the wood, as we lay in our nest. She blew upon us young ones; and all died except we two. Coo! Coo!"


・blew upon us=私たちの上を急いで通り過ぎて行った


そのとき、森のはとが、こういいました。
「くう、くう、わたしたち、カイちゃんを見ましたよ。一わの白いめんどりが、カイちゃんのそりをはこんでいました。カイちゃんは雪の女王のそりにのって、わたしたちが、巣にねていると、森のすぐ上を通っていったのですよ。雪の女王は、わたしたち子ばとに、つめたいいきをふきかけて、ころしてしまいました。たすかったのは、わたしたち二わだけ、くう、くう。」


"What is that you say up there?" cried little Gerda. "Where did the Snow Queen go to? Do you know anything about it?"


"She is no doubt gone to Lapland; for there is always snow and ice there. Only ask the Reindeer, who is tethered there."


"Ice and snow is there! There it is, glorious and beautiful!" said the Reindeer. "One can spring about in the large shining valleys! The Snow Queen has her summer-tent there; but her fixed abode is high up towards the North Pole, on the Island called Spitzbergen."


"Oh, Kay! Poor little Kay!" sighed Gerda.


"Do you choose to be quiet?" said the robber maiden. "If you don't, I shall make you."


・Lapland=ラップランド、スカンジナビア半島北部
・Reindeer=トナカイ
・tether=つなぐ
・glorious=壮大な
・spring about=跳ね回る
・abode=住居


「まあ、なにをそこでいってるの。」と、ゲルダが、つい大きなこえをしました。「その雪の女王さまは、どこへいったのでしょうね。そのさきのこと、なにかしっていて。おしえてよ。」
「たぶん、*ラップランドのほうへいったのでしょうよ。そこには、年中、氷や雪がありますからね。まあ、つながれている、となかいに、きいてごらんなさい。」

*ヨーロッパ洲の極北、スカンジナビア半島の北東部、四〇万平方キロ一帯の寒い土地。遊牧民のラップ人がすむ。

 すると、となかいがひきとって、
「そこには年中、氷や雪があって、それはすばらしいみごとなものですよ。」といいました。
「そこでは大きな、きらきら光る谷まを、自由にはしりまわることができますし、雪の女王は、そこに夏のテントをもっています。でも女王のりっぱな本城(ほんじょう)は、もっと北極のほうの、*スピッツベルゲンという島の上にあるのです。」

*ノルウェーのはるか北、北極海にちかい小島群(一名スヴァルバルド)。

「ああ、カイちゃんは、すきなカイちゃんは。」と、ゲルダはためいきをつきました。
「しずかにしなよ。しないと、ナイフをからだにつきさすよ。」と、おいはぎのこむすめがいいました。


In the morning Gerda told her all that the Wood-pigeons had said; and the little maiden looked very serious, but she nodded her head, and said, "That's no matter--that's no matter. Do you know where Lapland lies!" she asked of the Reindeer.


"Who should know better than I?" said the animal; and his eyes rolled in his head. "I was born and bred there--there I leapt about on the fields of snow."


・bred=breed(育てる)の過去分詞形
・leapt about=跳ね回っていた


あさになって、ゲルダは、森のはとが話したことを、すっかりおいはぎのこむすめに話しました。するとむすめは、たいそうまじめになって、うなずきながら、
「まあいいや。どっちにしてもおなじことだ。」と、いいました。そして、
「おまえ、ラップランドって、どこにあるのかしってるのかい。」と、むすめは、となかいにたずねました。
「わたしほど、それをよくしっているものがございましょうか。」と、目をかがやかしながら、となかいがこたえました。「わたしはそこで生まれて、そだったのです。わたしはそこで、雪の野原を、はしりまわっていました。」


"Listen," said the robber maiden to Gerda. "You see that the men are gone; but my mother is still here, and will remain. However, towards morning she takes a draught out of the large flask, and then she sleeps a little: then I will do something for you." She now jumped out of bed, flew to her mother; with her arms round her neck, and pulling her by the beard, said, "Good morrow, my own sweet nanny-goat of a mother." And her mother took hold of her nose, and pinched it till it was red and blue; but this was all done out of pure love.


・draught=〈英〉=draft=ドラフトビール、生ビール
・flask=〔ウイスキーなどの〕フラスコ瓶◆平らで薄く携帯できるように作られたもの
・Good morrow=Good morning
・nanny-goat=雌やぎ


「ごらん。みんなでかけていってしまうだろう。おっかさんだけがうちにいる。おっかさんは、ずっとうちにのこっているのよ。でもおひるちかくなると、大きなびんからお酒をのんで、すこしのあいだ、ひるねするから、そのとき、おまえにいいことをしてあげようよ。」と、おいはぎのこむすめはゲルダにいいました。
 それから女の子は、ぱんと、ねどこからはねおきて、おっかさんのくびのまわりにかじりついて、おっかさんのひげをひっぱりながら、こういいました。
「かわいい、めやぎさん、おはようございます。」
 すると、おっかさんは、女の子のはなが赤くなったり紫色(むらさきいろ)になったりするまで、ゆびではじきました。
 でもこれは、かわいくてたまらない心からすることでした。


おお、乱暴なお母さん!(笑)


When the mother had taken a sup at her flask, and was having a nap, the little robber maiden went to the Reindeer, and said, "I should very much like to give you still many a tickling with the sharp knife, for then you are so amusing; however, I will untether you, and help you out, so that you may go back to Lapland. But you must make good use of your legs; and take this little girl for me to the palace of the Snow Queen, where her playfellow is. You have heard, I suppose, all she said; for she spoke loud enough, and you were listening."


・sup=一口、一すすり
・should like to=~したい
・tickling=くすぐること


おっかさんが、びんのお酒をのんで、ねてしまったとき、おいはぎのこむすめは、となかいのところへいって、こういいました。
「わたしはもっと、なんべんも、なんべんも、ナイフでおまえを、くすぐってやりたいのだよ。だって、ずいぶんおかしいんだもの、でも、もういいさ。あたい、おまえがラップランドへ行けるように、つなをほどいてにがしてやろう。けれど、おまえはせっせとはしって、この子を、この子のおともだちのいる、雪の女王のごてんへ、つれていかなければいけないよ。おまえ、この子があたいに話していたこと、きいていたろう。とても大きなこえで話したし、おまえも耳をすまして、きいていたのだから。」


The Reindeer gave a bound for joy. The robber maiden lifted up little Gerda, and took the precaution to bind her fast on the Reindeer's back; she even gave her a small cushion to sit on. "Here are your worsted leggins, for it will be cold; but the muff I shall keep for myself, for it is so very pretty. But I do not wish you to be cold. Here is a pair of lined gloves of my mother's; they just reach up to your elbow. On with them! Now you look about the hands just like my ugly old mother!"


・bound=跳躍
・precaution=用心、予防策
・worsted=梳毛糸(そもうし)製の:梳毛=羊毛などの繊維をすいて長い繊維を残し、平行に並べて引き伸ばし、撚りをかけて糸にすること
・leggins=leggings=レギンス(子供用の短めのズボン)
・lined=裏地のついた


となかいはよろこんで、高くはねあがりました。その背中においはぎのこむすめは、ゲルダをのせてやりました。そして用心(ようじん)ぶかく、ゲルダをしっかりいわえつけて、その上、くらのかわりに、ちいさなふとんまで、しいてやりました。
「まあ、どうでもいいや。」と、こむすめはいいました。「そら、おまえの毛皮のながぐつだよ。だんだんさむくなるからね。マッフはきれいだからもらっておくわ。けれど、おまえにさむいおもいはさせないわ。ほら、おっかさんの大きなまる手ぶくろがある。おまえなら、ひじのところまで、ちょうどとどくだろう。まあ、これをはめると、おまえの手が、まるであたいのいやなおっかさんの手のようだよ。」と、むすめはいいました。


And Gerda wept for joy.


"I can't bear to see you fretting," said the little robber maiden. "This is just the time when you ought to look pleased. Here are two loaves and a ham for you, so that you won't starve." The bread and the meat were fastened to the Reindeer's back; the little maiden opened the door, called in all the dogs, and then with her knife cut the rope that fastened the animal, and said to him, "Now, off with you; but take good care of the little girl!"


・fret=くよくよする
・loaves:loaf=ひと塊のパン
・starve=飢え死にする
・off with you=出ていけ、消えうせろ


ゲルダは、もううれしくて、涙(なみだ)がこぼれました。
「泣くなんて、いやなことだね。」と、おいはぎのこむすめはいいました。「ほんとは、うれしいはずじゃないの。さあ、ここにふたつ、パンのかたまりと、ハムがあるわ。これだけあれば、ひもじいおもいはしないだろう。」
 これらの品じなは、となかいの背中のうしろにいわえつけられました。おいはぎのむすめは戸をあけて、大きな犬をだまして、中にいれておいて、それから、よくきれるナイフでつなをきると、となかいにむかっていいました。
「さあ、はしって。そのかわり、その子に、よく気をつけてやってよ。」


And Gerda stretched out her hands with the large wadded gloves towards the robber maiden, and said, "Farewell!" and the Reindeer flew on over bush and bramble through the great wood, over moor and heath, as fast as he could go.


"Ddsa! Ddsa!" was heard in the sky. It was just as if somebody was sneezing.


"These are my old northern-lights," said the Reindeer, "look how they gleam!" And on he now sped still quicker--day and night on he went: the loaves were consumed, and the ham too; and now they were in Lapland.


・wadded=綿入れの
・bramble=イバラ◆バラやバラに似たとげのある低木の総称
・moor=荒地、沼地
・heath=ヒース(ヨーロッパおよび南アフリカ原産のエリカ属の常緑低木)、荒地、荒野
・old=昔なじみの
・sped:speed=疾走する
・consume=~を食べつくす


そのとき、ゲルダは、大きなまる手ぶくろをはめた両手を、おいはぎのこむすめのほうにさしのばして、「さようなら。」といいました。
 とたんに、となかいはかけだしました。木の根、岩かどをとびこえ、大きな森をつきぬけて、沼地や草原もかまわず、いっしょうけんめい、まっしぐらにはしっていきました。おおかみがほえ、わたりがらすがこえをたてました。ひゅッ、ひゅッ、空で、なにか音がしました。それはまるで花火があがったように。
「あれがわたしのなつかしい北極(オーロラ)光です。」と、となかいがいいました。「ごらんなさい。なんてよく、かがやいているでしょう。」
 それからとなかいは、ひるも夜も、前よりももっとはやくはしって行きました。
 パンのかたまりもなくなりました。ハムもたべつくしました。となかいとゲルダとは、ラップランドにつきました。


盗賊の娘だったけど優しいところがある子だったわけね。ゲルダは幸運!20070810031427

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