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英語で小泉八雲『耳なし芳一』(1)

いよいよ始めます原作は著作権フリーのおなじみThe Project Gutenberg、日本語訳はこれも同じく著作権フリーの青空文庫、戸川明三訳を使わせていただきます。

KWAIDAN


THE STORY OF MIMI-NASHI-HOICHI

More than seven hundred years ago, at Dan-no-ura, in the Straits of Shimonoseki, was fought the last battle of the long contest between the Heike, or Taira clan, and the Genji, or Minamoto clan.


・Dan-no-ura=壇ノ浦:山口県下関市、早鞆(はやとも)瀬戸の海岸一帯の地。源平最後の合戦場。安徳帝を祀(まつ)る赤間神宮がある。
[参考]壇ノ浦の合戦=1185年の長門壇ノ浦における源平最後の合戦。平宗盛の率いる平家は源義経を総大将とする源氏の軍勢に敗北。安徳天皇は二位尼とともに入水、宗盛らは捕らえられて、平家一門は滅亡した。
・Straits=【名】 海峡
・battle=【名】 戦い、戦闘
・contest=【名】争い
・or=【接続】 すなわち、つまり
・clan=【名】 一族
[参考]More than seven hundred years ago, at Dan-no-ura, in the Straits of
Shimonoseki, was fought the last battle~の文章は倒置になっている。通常はThe last battle~ was fought more than seven hundred years ago, at Dan-no-ura, in the Straits of shimonoseki.文頭の副詞句”More than seven hundred years ago, at Dan-no-ura, in the Straits of Shimonoseki”を強調する構文のため、副詞句+V(Verb=動詞)+S(Subject=主語)の倒置形になっている。(参考文献は文研出版『究明英文法』)

七百年以上も昔の事、下ノ関海峡の壇ノ浦で、平家すなわち平族と、源氏すなわち源族との間の、永い争いの最後の戦闘が戦われた。


There the Heike perished utterly, with their women and children, and their infant emperor likewise -- now remembered as Antoku Tenno. And that sea and shore have been haunted for seven hundred years... Elsewhere I told you about the strange crabs found there, called Heike crabs, which have human faces on their backs, and are said to be the spirits of the Heike warriors.


・There=【副】そこで
・perish=【自動】 滅びる、(災害などで)死ぬ、
・utterly=【副】 全く、完全に、残らず
・infant=【形】 幼い、幼少の
・likewise=【副】 同じく、同じように、同様に
・Antoku Tenno=【安徳天皇】(1178-1185) 第八一代天皇(在位 1180-1185)。高倉天皇の皇子。名は言仁(ときひと)。母は平清盛の娘建礼門院徳子。二歳で即位。平宗盛に擁せられて、西国に落ち、壇ノ浦で平氏一門とともに入水した。
・haunt=【他動】(幽霊が)~に出没する
・Elsewhere【副】ほかのどこかで
・Heike crab=【平家蟹】海産のカニ。甲の幅約2センチメートル。全身暗紫褐色。前二対の脚が発達して歩行に使われ、後ろ二対の脚は短く、これで貝殻などを甲の上に背負う。甲の凹凸が怒った人の顔のように見え、平家の怨霊が乗り移ったとの伝説を生んだ。瀬戸内海から黄海・東シナ海にかけての浅海に分布。タケブンガニ。オニガニ。Photo
・spirit=【名】霊、魂、霊魂
・warrior=【名】武士


この壇ノ浦で平家は、その一族の婦人子供ならびにその幼帝――今日安徳天皇として記憶されている――と共に、まったく滅亡した。そうしてその海と浜辺とは七百年間その怨霊に祟られていた……他の個処で私はそこに居る平家蟹という不思議な蟹の事を読者諸君に語った事があるが、それはその背中が人間の顔になっており、平家の武者の魂であると云われているのである。


But there are many strange things to be seen and heard along that coast. On dark nights thousands of ghostly fires hover about the beach, or flit above the waves,—pale lights which the fishermen call Oni-bi, or demon-fires; and, whenever the winds are up, a sound of great shouting comes from that sea, like a clamor of battle.


・to be seen and heard=to+不定詞の形容詞的用法で、先行する名詞many strange thingsが意味上の主語になる。
・coast= 【名】海岸、沿岸
The road along the coast is beautiful. (その海岸沿いの道路は美しい)
・thousands of=何千もの
ghostly=【形】 霊的な
hover about=うろつく、空に舞う
・beach=【名】 浜、海辺、ビーチ、岸べ
・flit=【自動】 かろやかに飛ぶ[動く]、ひらひら飛び回る、せわしなく動き回る
・pale=【形】青白い
・fishermen=fisherman(【名】 漁師)の複数形
・Oni-bi=【鬼火】夜間、墓地や沼地などで、青白く燃え上がる不気味な火。人骨などのリンが自然発火したもの。人魂(ひとだま)。
・or=【接続】 すなわち、つまり
・demon=【名】 悪霊、悪魔
・whenever=【接続】 いつ~しようとも[であろうとも]、~する[な]ときはいつでも
・up=【形】 (出来事が)起きている、the winds are up(風が起こる)
・shouting= 【名】叫び
・clamor=【名】 どよめき、うなり声、やかましい音[鳴き声]、わめき、叫び、喧騒

しかしその海岸一帯には、たくさん不思議な事が見聞きされる。闇夜には幾千となき幽霊火が、水うち際にふわふわさすらうか、もしくは波の上にちらちら飛ぶ――すなわち漁夫の呼んで鬼火すなわち魔の火と称する青白い光りである。そして風の立つ時には大きな叫び声が、戦の叫喚のように、海から聞えて来る。

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