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英語でアンデルセン童話「雪の女王」12

原点はProject Gutenberg、邦訳は青空文庫、楠山正雄訳を使わせていただきます。

The evening was closing in when the Raven returned. "Caw--caw!" said he. "She sends you her compliments; and here is a roll for you. She took it out of the kitchen, where there is bread enough. You are hungry, no doubt. It is not possible for you to enter the palace, for you are barefooted: the guards in silver, and the lackeys in gold, would not allow it; but do not cry, you shall come in still. My sweetheart knows a little back stair that leads to the
bedchamber, and she knows where she can get the key of it."


・closing in:close in=近づく、迫る
・compliments=あいさつ
・roll=ロール(パン)
・you shall come in=入ってよい:you shallは話し手の意志を表す
・still=〈古〉常に、いつでも
・back stair=裏階段
・bedchamber=寝室


そのからすがかえってきたときには、晩もだいぶくらくなっていました。
「すてき、すてき。」と、からすはいいました。「いいなずけが、あなたによろしくとのことでしたよ。さあ、ここに、すこしばかりパンをもってきてあげました。さぞ、おなかがすいたでしょう。いいなずけが、だいどころからもってきたのです。そこにはたくさんまだあるのです。――どうも、お城へはいることは、できそうもありませんよ。なぜといって、あなたはくつをはいていませんから、銀の軍服のへいたいや、金ぴかのせいふくのお役人たちが、ゆるしてくれないでしょうからね、だがそれで泣いてはいけない。きっと、つれて行けるくふうはしますよ。わたしのいいなずけは、王女さまのねまに通じている、ほそい、うらばしごをしっていますし、そのかぎのあるところもしっているのですからね。」


And they went into the garden in the large avenue, where one leaf was falling after the other; and when the lights in the palace had all gradually disappeared, the Raven led little Gerda to the back door, which stood half open.


・avenue=大通り
・stood:stand=現時点で~である


そこで、からすとゲルダとは、お庭をぬけて、木の葉があとからあとからと、ちってくる並木道(なみきみち)を通りました。そして、お城のあかりが、じゅんじゅんにきえてしまったとき、からすはすこしあいているうらの戸口へ、ゲルダをつれていきました。


Oh, how Gerda's heart beat with anxiety and longing! It was just as if she had been about to do something wrong; and yet she only wanted to know if little Kay was there. Yes, he must be there. She called to mind his intelligent eyes, and his long hair, so vividly, she could quite see him as he used to laugh when they were sitting under the roses at home. "He will, no doubt, be glad to see you--to hear what a long way you have come for his sake; to know how unhappy all at home were when he did not come back."


Oh, what a fright and a joy it was!


・longing=切望、熱望
・and yet=それなのに
・call to mind=思い浮かべる
・all at home=家にいるみんな


まあ、ゲルダのむねは、こわかったり、うれしかったりで、なんてどきどきしたことでしょう。まるでゲルダは、なにかわるいことでもしているような気がしました。けれど、ゲルダはその人が、カイちゃんであるかどうかをしりたい、いっしんなのです。そうです。それはきっと、カイちゃんにちがいありません。ゲルダは、しみじみとカイちゃんのりこうそうな目つきや、長いかみの毛をおもいだしていました。そして、ふたりがうちにいて、ばらの花のあいだにすわってあそんだとき、カイちゃんがわらったとおりの笑顔(えがお)が、目にうかびました。そこで、カイちゃんにあって、ながいながい道中をして自分をさがしにやってきたことをきき、あれなりかえらないので、どんなにみんなが、かなしんでいるかしったなら、こうしてきてくれたことを、どんなによろこぶでしょう。まあ、そうおもうと、うれしいし、しんぱいでした。


They were now on the stairs. A single lamp was burning there; and on the floor stood the tame Raven, turning her head on every side and looking at Gerda, who bowed as her grandmother had taught her to do.


・on every side=四方八方に


さて、からすとゲルダとは、かいだんの上にのぼりました。ちいさなランプが、たなの上についていました。そして、ゆか板のまん中のところには、飼いならされた女がらすが、じっとゲルダを見て立っていました。ゲルダはおばあさまからおそわったように、ていねいにおじぎしました。


"My intended has told me so much good of you, my dear young lady," said the tame Raven. "Your tale is very affecting. If you will take the lamp, I will go before. We will go straight on, for we shall meet no one."


"I think there is somebody just behind us," said Gerda; and something rushed past: it was like shadowy figures on the wall; horses with flowing manes and thin legs, huntsmen, ladies and gentlemen on horseback.


・intended=いいなずけ
・affecting=心を打つ、感動的な
・go straight on=一直線に進む、真っすぐに行く
・flowing=流れるような
・mane=たてがみ
・huntsmen:huntman=狩猟者


「かわいいおじょうさん。わたしのいいなずけは、あなたのことを、たいそうほめておりました。」と、そのやさしいからすがいいました。「あなたの、そのごけいれきとやらもうしますのは、ずいぶんおきのどくなのですね。さあ、ランプをおもちください。ごあんないしますわ。このところをまっすぐにまいりましょう。もうだれにもあいませんから。」
「だれか、わたしたちのあとから、ついてくるような気がすることね。」と、なにかがそばをきゅうに通ったときに、ゲルダはいいました。それは、たてがみをふりみだして、ほっそりとした足をもっている馬だの、それから、かりうどだの、馬にのったりっぱな男の人や、女の人だのの、それがみんなかべにうつったかげのように見えました。


"They are only dreams," said the Raven. "They come to fetch the thoughts of the high personages to the chase; 'tis well, for now you can observe them in bed all the better. But let me find, when you enjoy honor and distinction, that you possess a grateful heart."


"Tut! That's not worth talking about," said the Raven of the woods.


・fetch=~の心をつかむ
・high personage=高貴な方
・the chase=要点
・'tis=it isの短縮形
・for now=今のところ、さしあたって
・observe=よく見る、観察する
・all the better=なおさら、いっそう
・distinction=名声
・grateful=感謝する
・Tut=【間投】 〔いら立ちや非難を表す〕ちぇっ


「あれは、ほんの夢なのですわ。」と、からすがいいました。「あれらは、それぞれのご主人たちのこころを、りょうにさそいだそうとしてくるのです。つごうのいいことに、あなたは、ねどこの中であのひとたちのお休みのところがよくみられます。そこで、どうか、あなたがりっぱな身分におなりになったのちも、せわになったおれいは、おわすれなくね。」
「それはいうまでもないことだろうよ。」と、森のからすがいいました。


They now entered the first saloon, which was of rose-colored satin, with artificial flowers on the wall. Here the dreams were rushing past, but they hastened by so quickly that Gerda could not see the high personages. One hall was more magnificent than the other; one might indeed well be abashed; and at last they came into the bedchamber. The ceiling of the room resembled a large palm-tree with leaves of glass, of costly glass; and in the middle, from a thick golden stem, hung two beds, each of which resembled a lily. One was white, and in this lay the Princess; the other was red, and it was here that Gerda was to look for little Kay. She bent back one of the red leaves, and saw a brown neck. Oh! that was Kay! She called him quite loud by name, held the lamp towards him--the dreams rushed back again into the chamber--he awoke, turned his head, and--it was not little Kay!


・saloon=大広間、客室
・artificial=作り物の
・hall=大広間、廊下
・magnificent=素晴らしい、格調高い
・might well=《推量・可能性》~だろう
・abashed=当惑した、恥じている、ばつが悪い
・palm=ヤシ、シュロ
・costly=高価な
・stem=茎、幹
・bent back:bend back=後ろに(弓なりに)曲げる


さて、からすとゲルダとは、一ばんはじめの広間にはいっていきました。そこのかべには、花でかざった、ばら色のしゅすが、上から下まで、はりつめられていました。そして、ここにもりょうにさそうさっきの夢は、もうとんで来ていましたが、あまりはやくうごきすぎて、ゲルダはえらい殿(との)さまや貴婦人(きふじん)方を、こんどはみることができませんでした。ひろまから、ひろまへ行くほど、みごとにできていました。ただもうあまりのうつくしさに、まごつくばかりでしたが、そのうち、とうとうねままではいっていきました。そこのてんじょうは、高価なガラスの葉をひろげた、大きなしゅろの木のかたちになっていました。そして、へやのまんなかには、ふたつのベッドが、木のじくにあたる金のふとい柱につりさがっていて、ふたつとも、ゆりの花のようにみえました。そのベッドはひとつは白くて、それには王女がねむっていました。もうひとつのは赤くて、そこにねむっている人こそ、ゲルダのさがすカイちゃんでなくてはならないのです。ゲルダは赤い花びらをひとひら、そっとどけると、そこに日やけしたくびすじが見えました。――ああ、それはカイちゃんでした。
 ――ゲルダは、カイちゃんの名をこえ高くよびました。ランプをカイちゃんのほうへさしだしました。……夢がまた馬にのって、さわがしくそのへやの中へ、はいってきました。……その人は目をさまして、顔をこちらにむけました。ところが、それはカイちゃんではなかったのです。


なかなか原作は複雑で細かくて、意味深ですなあ(^_^;)

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