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英語でアンデルセン童話「雪の女王」10

原点はProject Gutenberg、邦訳は青空文庫、楠山正雄訳を使わせていただきます。

FOURTH STORY. The Prince and Princess


   第四のお話

     王子と王女

Gerda was obliged to rest herself again, when, exactly opposite to her, large Raven came hopping over the white snow. He had long been looking at Gerda and shaking his head; and now he said, "Caw! Caw!" Good day! Good day! He could not say it better; but he felt a sympathy for the little girl, and asked her where she was going all alone. The word "alone" Gerda understood quite well, and felt how much was expressed by it; so she told the Raven her whole history, and asked if he had not seen Kay.


・obliged to=仕方なく~する
・opposite to=~の逆方向に、逆方向から
・Raven=(大型の)カラス、ワタリガラス◆不吉の兆しとされる
・hop=ピョンピョン飛ぶ
・Cawd=(カラスが)かーかー鳴く(声)
・Good day=【間投】 こんにちは、ご機嫌よう、さようなら、じゃあこれで


ゲルダは、またも、やすまなければなりませんでした。ゲルダがやすんでいた場所の、ちょうどむこうの雪の上で、一わの大きなからすが、ぴょんぴょんやっていました。このからすは、しばらくじっとしたなりゲルダをみつめて、あたまをふっていましたが、やがてこういいました。
「カア、カア、こんちは。こんちは。」
 からすは、これよりよくは、なにもいうことができませんでしたが、でも、ゲルダをなつかしくおもっていて、このひろい世界で、たったひとりぼっち、どこへいくのだといって、たずねました。この「ひとりぼっち。」ということばを、ゲルダはよくあじわって、しみじみそのことばに、ふかいいみのこもっていることをおもいました。ゲルダはそこでからすに、じぶんの身の上のことをすっかり話してきかせた上、どうかしてカイをみなかったか、たずねました。


The Raven nodded very gravely, and said, "It may be--it may be!"


"What, do you really think so?" cried the little girl; and she nearly squeezed the Raven to death, so much did she kiss him.


"Gently, gently," said the Raven. "I think I know; I think that it may be little Kay. But now he has forgotten you for the Princess."


"Does he live with a Princess?" asked Gerda.


"Yes--listen," said the Raven; "but it will be difficult for me to speak your language. If you understand the Raven language I can tell you better."


"No, I have not learnt it," said Gerda; "but my grandmother understands it, and she can speak gibberish too. I wish I had learnt it."


"No matter," said the Raven; "I will tell you as well as I can; however, it will be bad enough." And then he told all he knew.


・gravely=深刻に
・Gently=優しく、おだやかに
・I think I know=彼(カイ)に会ったと思う、会ったのは彼だったと思う
・learnt=learnの過去・過去分詞
・gibberish=ちんぷんかんぷんな[訳の分からない]話[おしゃべり・文章]


するとからすは、ひどくまじめにかんがえこんで、こういいました。
「あれかもしれない。あれかもしれない。」
「え、しってて。」と、ゲルダは大きなこえでいって、からすをらんぼうに、それこそいきのとまるほどせっぷんしました。
「おてやわらかに、おてやわらかに。」と、からすはいいました。「どうも、カイちゃんをしっているような気がします。たぶん、あれがカイちゃんだろうとおもいますよ。けれど、カイちゃんは、王女さまのところにいて、あなたのことなどは、きっとわすれていますよ。」
「カイちゃんは、王女さまのところにいるんですって。」と、ゲルダはききました。
「そうです。まあ、おききなさい。」と、からすはいいました。「どうも、わたしにすると、にんげんのことばで話すのは、たいそうなほねおりです。あなたにからすのことばがわかると、ずっとうまく話せるのだがなあ。」
「まあ、あたし、ならったことがなかったわ。」と、ゲルダはいいました。「でも、うちのおばあさまは、おできになるのよ。あたし、ならっておけばよかった。」
「かまいませんよ。」と、からすはいいました。「まあ、できるだけしてみますから。うまくいけばいいが。」  それからからすは、しっていることを、話しました。


"In the kingdom where we now are there lives a Princess, who is extraordinarily clever; for she has read all the newspapers in the whole world, and has forgotten them again--so clever is she. She was lately, it is said, sitting on her throne--which is not very amusing after all--when she began humming an old tune, and it was just, 'Oh, why should I not be married?' 'That song is not without its meaning,' said she, and so then she was determined to marry; but she would have a husband who knew how to give an answer when he was spoken to--not one who looked only as if he were a great personage, for that is so tiresome. She then had all the ladies of the court drummed together; and when they heard her intention, all were very pleased, and said, 'We are very glad to hear it; it is the very thing we were thinking of.' You may believe every word I say," said the Raven; "for I have a tame sweetheart that hops about in the palace quite free, and it was she who told me all this.


・lately=【副】 最近、このごろ◆【用法】過去形で用いることができるのは結果が現在に影響を及ぼしているときのみ
・which=sitting on her throne
・amusing=面白い、楽しい
・why should=一体何でまた~なのか
・would=~したいと思う
・personage=有名人、有力者、〔一般に〕人
・tiresome=うんざりする、退屈な
・drum=(太鼓をたたいて)呼集める
・the very thing=まさしくそのもの
・tame=従順な
・sweetheart=恋人


「わたしたちがいまいる国には、たいそうかしこい王女さまがおいでなるのです。なにしろ世界中のしんぶんをのこらず読んで、のこらずまたわすれてしまいます。まあそんなわけで、たいそうりこうなかたなのです。さて、このあいだ、王女さまは玉座(ぎょくざ)におすわりになりました。玉座というものは、せけんでいうほどたのしいものではありません。そこで王女さまは、くちずさみに歌をうたいだしました。その歌は『なぜに、わたしは、むことらぬ』といった歌でした。そこで、『なるほど、それももっともだわ。』と、いうわけで、王女さまはけっこんしようとおもいたちました。でも夫(おっと)にするなら、ものをたずねても、すぐとこたえるようなのがほしいとおもいました。だって、ただそこにつっ立って、ようすぶっているだけでは、じきにたいくつしてしまいますからね。そこで、王女さまは、女官(じょかん)たち、のこらずおめしになって、このもくろみをお話しになりました。女官たちは、たいそうおもしろくおもいまして、
『それはよいおもいつきでございます。わたくしどもも、ついさきごろ、それとおなじことをかんがえついたしだいです。』などと申しました。
「わたしのいっていることは、ごく、ほんとうのことなのですよ。」と、からすはいって、「わたしには、やさしいいいなずけがあって、その王女さまのお城に、自由にとんでいける、それがわたしにすっかり話してくれたのです。」と、いいそえました。


おお!カラスのスパイ!?(笑)


"The newspapers appeared forthwith with a border of hearts and the initials of the Princess; and therein you might read that every good-looking young man was at liberty to come to the palace and speak to the Princess; and he who spoke in such wise as showed he felt himself at home there, that one the Princess would choose for her husband.


・appear=発刊される
・forthwith=すぐに
・border=縁取り
・initial=頭文字
・therein=その中に
・at liberty to=《be ~》自由に~してよい
・wise=《古》方法(way)
・felt at home=くつろいだ気持ちになった


ハートと、王女さまのかしらもじでふちどったしんぶんが、さっそく、はっこうされました。それには、ようすのりっぱな、わかい男は、たれでもお城にきて、王女さまと話すことができる。そしてお城へきても、じぶんのうちにいるように、気やすく、じょうずに話した人を、王女は夫としてえらぶであろうということがかいてありました。


"Yes, Yes," said the Raven, "you may believe it; it is as true as I am sitting here. People came in crowds; there was a crush and a hurry, but no one was successful either on the first or second day. They could all talk well enough when they were out in the street; but as soon as they came inside the palace gates, and saw the guard richly dressed in silver, and the lackeys in gold on the staircase, and the large illuminated saloons, then they were abashed; and when they stood before the throne on which the Princess was sitting, all they could do was to repeat the last word they had uttered, and to hear it again did not interest her very much. It was just as if the people within were under a charm, and had fallen into a trance till they came out again into the street; for then--oh, then--they could chatter enough. There was a whole row of them standing from the town-gates to the palace. I was there myself to look," said the Raven. "They grew hungry and thirsty; but from the palace they got nothing whatever, not even a glass of water. Some of the cleverest, it is true, had taken bread and butter with them: but none shared it with his neighbor, for each thought, 'Let him look hungry, and then the Princess won't have him.'"


・crush=押し合い
・hurry=急ぐこと、あわてること
・guard=守衛、見張り
・lackey=召使
・staircase=階段
・illuminated=彩色された
・saloon=大広間、客室
・abashed=恥じている、ばつが悪い
・last word=《the ~》最後の[決定的な・とどめの]言葉[一言・発言]
・under a charm=魔法にかかっている
・fall into a trance=恍惚状態になる
・chatter=ぺちゃくちゃしゃべる
・whole=完全な、まるごとの
・row=列
・nothing whatever=何一つ~ない
・bread and butter=バターつきパン


「そうです。そうです。あなたはわたしをだいじょうぶ信じてください。この話は、わたしがここにこうしてすわっているのとどうよう、ほんとうの話なのですから。」と、からすはいいました。
「わかい男の人たちは、むれをつくって、やってきました。そしてたいそう町はこんざつして、たくさんの人が、あっちへいったり、こっちへきたり、いそがしそうにかけずりまわっていました。でもはじめの日も、つぎの日も、ひとりだってうまくやったものはありません。みんなは、お城のそとでこそ、よくしゃべりましたが、いちどお城の門をはいって、銀ずくめのへいたいをみたり、かいだんをのぼって、金ぴかのせいふくをつけたお役人に出あって、あかるい大広間にはいると、とたんにぽうっとなってしまいました。そして、いよいよ王女さまのおいでになる玉座の前に出たときには、たれも王女さまにいわれたことばのしりを、おうむがえしにくりかえすほかありませんでした。王女さまとすれば、なにもじぶんのいったことばを、もういちどいってもらってもしかたがないでしょう。ところが、だれも、ごてんのなかにはいると、かぎたばこでものまされたように、ふらふらで、おうらいへでてきて、やっとわれにかえって、くちがきけるようになる。なにしろ町の門から、お城の門まで、わかいひとたちが、れつをつくってならんでいました。わたしはそれをじぶんで見てきましたよ。」と、からすが、ねんをおしていいました。
「みんなは自分のばんが、なかなかまわってこないので、おなかがすいたり、のどがかわいたりしましたが、ごてんの中では、なまぬるい水いっぱいくれませんでした。なかで気のきいたせんせいたちが、バタパンご持参で、やってきていましたが、それをそばの人にわけようとはしませんでした。このれんじゅうの気では――こいつら、たんとひもじそうな顔をしているがいい。おかげで王女さまも、ごさいようになるまいから――というのでしょう。」


醜い人間の姿ですなあ(笑)

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