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英語でアンデルセン童話「雪の女王」9

原点はProject Gutenberg、邦訳は青空文庫、楠山正雄訳を使わせていただきます。

And Gerda went to the Ranunculuses, that looked forth from among the shining green leaves.


"You are a little bright sun!" said Gerda. "Tell me if you know where I can find my playfellow."


And the Ranunculus shone brightly, and looked again at Gerda. What song could the Ranunculus sing? It was one that said nothing about Kay either.


"In a small court the bright sun was shining in the first days of spring. The beams glided down the white walls of a neighbor's house, and close by the fresh yellow flowers were growing, shining like gold in the warm sun-rays. An old grandmother was sitting in the air; her grand-daughter, the poor and lovely servant just come for a short visit. She knows her grandmother. There was gold, pure virgin gold in that blessed kiss. There, that is my little story," said the Ranunculus.


・Ranunculus=《植物》ラナンキュラス(キンポウゲ科)
日本語訳は「たんぽぽ」になっていますが…
ラナンキュラスはこんなの…
3004885.jpg
キンポウゲは…
Ranunculus_japonicus_004.jpg

・look forth=外を見る
・playfellow=〈古〉〔子供の〕遊び仲間[友達]
・court=中庭
・beam=光線
・close by=すぐ近くに


それから、ゲルダは、緑の葉のあいだから、あかるくさいている、たんぽぽのところへいきました。
「あなたはまるで、ちいさな、あかるいお日さまね。どこにわたしのおともだちがいるか、しっていたらおしえてくださいな。」と、ゲルダはいいました。
 そこで、たんぽぽは、よけいあかるくひかりながら、ゲルダのほうへむきました。どんな歌を、その花がうたったでしょう。その歌も、カイのことではありませんでした。
「ちいさな、なか庭には、春のいちばんはじめの日、うららかなお日さまが、あたたかに照っていました。お日さまの光は、おとなりの家の、まっ白なかべの上から下へ、すべりおちていました。そのそばに、春いちばんはじめにさく、黄色い花が、かがやく光の中に、金のようにさいていました。おばあさんは、いすをそとにだして、こしをかけていました。おばあさんの孫の、かわいそうな女中ぼうこうをしているうつくしい女の子が、おばあさんにあうために、わずかなおひまをもらって、うちへかえってきました。女の子はおばあさんにせっぷんしました。このめぐみおおいせっぷんには金(きん)が、こころの金(きん)がありました。その口にも金、そのふむ土にも金、そのあさのひとときにも金がありました。これがわたしのつまらないお話です。」と、たんぽぽがいいました。


"My poor old grandmother!" sighed Gerda. "Yes, she is longing for me, no doubt: she is sorrowing for me, as she did for little Kay. But I will soon come home, and then I will bring Kay with me. It is of no use asking the flowers; they only know their own old rhymes, and can tell me nothing." And she tucked up her frock, to enable her to run quicker; but the Narcissus gave her a knock on the leg, just as she was going to jump over it. So she stood still, looked at the long yellow flower, and asked, "You perhaps know something?" and she bent down to the Narcissus. And what did it say?


・of no use=全く役に立たない
・rhymes=歌
・tuck up=たくし上げる
・Narcissus=スイセン
・give a knock=打つ、たたく
・it=the Narcissus


まあ、わたしのおばあさまは、どうしていらっしゃるかしら。」と、ゲルダはためいきをつきました。「そうよ。きっとおばあさまは、わたしにあいたがって、かなしがっていらっしゃるわ。カイちゃんのいなくなったとおなじように、しんぱいしていらっしゃるわ。けれど、わたし、じきにカイちゃんをつれて、うちにかえれるでしょう。――もう花たちにいくらたずねてみたってしかたがない。花たち、ただ、自分の歌をうたうだけで、なんにもこたえてくれないのだもの。」
 そこでゲルダは、はやくかけられるように、着物をきりりとたくしあげました。けれど、黄(き)ずいせんを、ゲルダがとびこえようとしたとき、それに足がひっかかりました。そこでゲルダはたちどまって、その黄色い、背の高い花にむかってたずねました。
「あんた、カイちゃんのこと、なんかしっているの。」
 そしてゲルダは、こごんで、その花の話すことをききました。その花はなんといったでしょう。


"I can see myself--I can see myself! Oh, how odorous I am! Up in the little garret there stands, half-dressed, a little Dancer. She stands now on one leg, now on both; she despises the whole world; yet she lives only in imagination. She pours water out of the teapot over a piece of stuff which she holds in her hand; it is the bodice; cleanliness is a fine thing. The white dress is hanging on the hook; it was washed in the teapot, and dried on the roof. She puts it on, ties a saffron-colored kerchief round her neck, and then the gown looks whiter. I can see myself--I can see myself!"


"That's nothing to me," said little Gerda. "That does not concern me." And then off she ran to the further end of the garden.


・odorous=香りの良い
・garret=〔傾斜屋根の下の〕屋根裏部屋
・live in imagination=想像の世界に住む
・stuff=物、材料
・bodice=女性用胴着
・cleanliness=清潔
・hook=鉤(かぎ)、フック
・saffron-colored =サフラン色の、鮮黄色の(サフランの花は紫色だが、花柱を乾燥し、薬にしたり、菓子や料理の黄色染料にするので、サフラン色という時は、鮮やかな黄色を指す)
・kerchief=(女性のかぶる)ネッカチーフ、スカーフ
・gown=(婦人の)外出着、寝巻
・further end=向こうの端


「わたし、じぶんがみられるのよ。じぶんがわかるのよ。」と、黄ずいせんはいいました。「ああ、ああ、なんてわたしはいいにおいがするんだろう。屋根うらのちいさなへやに、半はだかの、ちいさなおどりこが立っています。おどりこはかた足で立ったり、両足で立ったりして、まるで世界中をふみつけるように見えます。でも、これはほんの目のまよいです。おどりこは、ちいさな布(ぬの)に、湯わかしから湯をそそぎます。これはコルセットです。――そうです。そうです、せいけつがなによりです。白い上着(うわぎ)も、くぎにかけてあります。それもまた、湯わかしの湯であらって、屋根でかわかしたものなのです。おどりこは、その上着をつけて、サフラン色のハンケチをくびにまきました。ですから、上着はよけい白くみえました。ほら、足をあげた。どう、まるでじくの上に立って、うんとふんばった姿は。わたし、じぶんが見えるの。じぶんがわかるの。」
「なにもそんな話、わたしにしなくてもいいじゃないの。そんなこと、どうだって、かまわないわ。」と、ゲルダはいいました。
 それでゲルダは、庭のむこうのはしまでかけて行きました。


The gate was locked, but she shook the rusted bolt till it was loosened, and the gate opened; and little Gerda ran off barefooted into the wide world. She looked round her thrice, but no one followed her. At last she could run no longer; she sat down on a large stone, and when she looked about her, she saw that the summer had passed; it was late in the autumn, but that one could not remark in the beautiful garden, where there was always sunshine, and where there were flowers the whole year round.


"Dear me, how long I have staid!" said Gerda. Autumn is come. I must not rest any longer." And she got up to go further.


Oh, how tender and wearied her little feet were! All around it looked so cold and raw: the long willow-leaves were quite yellow, and the fog dripped from them like water; one leaf fell after the other: the sloes only stood full of fruit, which set one's teeth on edge. Oh, how dark and comfortless it was in the dreary world!


・rusted=さびた
・bolt=かんぬき(門や建物の出入り口の扉を閉ざすための横木。左右の扉につけた金具に通して扉が開かないようにする)
・barefooted=はだしで
・thrice=三度
・that=it was late in the autumn
・one could not~=普通は誰も~できない
・remark=~に気づく
・Dear me=まあ◆驚き・失望・同情などを表す
・staid=《古》stayの過去・過去分詞
・tender=圧痛のある、触ると痛い
・wearied=疲れて
・raw=(天候が)じめじめして冷たい
・willow=【植】ヤナギ
・fog=霧
・sloe=スモモ(バラ科の落葉高木。春、葉に先立って、葉腋に白色の五弁花を一~三個つける。果実は球形で、赤紫色または黄色に熟し、甘酸っぱい。巴旦杏(はたんきよう)・ソルダム・サンタローザなどの系統がある。プラム。実がなるのは夏)
・set one's teeth=覚悟を決めた
・on edge=極限状態で、緊張状態で、イライラして
・comfortless=楽しみのない、わびしい
・dreary=わびしい、物憂い、荒涼とした


その戸はしまっていましたが、ゲルダがそのさびついたとってを、どんとおしたので、はずれて戸はぱんとひらきました。ゲルダはひろい世界に、はだしのままでとびだしました。ゲルダは、三度(ど)もあとをふりかえってみましたが、たれもおっかけてくるものはありませんでした。とうとうゲルダは、もうとてもはしることができなくなったので、大きな石の上にこしをおろしました。そこらをみまわしますと、夏はすぎて、秋がふかくなっていました。お日さまが年中かがやいて、四季(しき)の花がたえずさいていた、あのうつくしい花ぞのでは、そんなことはわかりませんでした。
「ああ、どうしましょう。あたし、こんなにおくれてしまって。」と、ゲルダはいいました。「もうとうに秋になっているのね。さあ、ゆっくりしてはいられないわ。」
 そしてゲルダは立ちあがって、ずんずんあるきだしました。まあ、ゲルダのかよわい足は、どんなにいたむし、そして、つかれていたことでしょう。どこも冬がれて、わびしいけしきでした。ながいやなぎの葉は、すっかり黄ばんで、きりが雨しずくのように枝からたれていました。ただ、とげのある、こけももだけは、まだ実(み)をむすんでいましたが、こけももはすっぱくて、くちがまがるようでした。ああ、なんてこのひろびろした世界は灰色で、うすぐらくみえたことでしょう。


どうしてスモモだけ実をつけているのでしょうか?


THIRD STORYは終わり。さあ、次回からはFOURTH STORYです。

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