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英語でアンデルセン童話「雪の女王」4

原点はProject Gutenberg、邦訳は青空文庫、楠山正雄訳を使わせていただきます。

There, in the market-place, some of the boldest of the boys used to tie their sledges to the carts as they passed by, and so they were pulled along, and got a good ride. It was so capital! Just as they were in the very height of their amusement, a large sledge passed by: it was painted quite white, and there was someone in it wrapped up in a rough white mantle of fur, with a rough white fur cap on his head. The sledge drove round the square twice, and Kay tied on his sledge as quickly as he could, and off he drove with it. On they went quicker and quicker into the next street; and the person who drove turned round to Kay, and nodded to him in a friendly manner, just as if they knew each other. Every time he was going to untie his sledge, the person nodded to him, and then Kay sat quiet; and so on they went till they came outside the gates of the town. Then the snow began to fall so thickly that the little boy could not see an arm's length before him, but still on he went: when suddenly he let go the string he held in his hand in order to get loose from the sledge, but it was of no use; still the little vehicle rushed on with the quickness of the wind. He then cried as loud as he could, but no one heard him; the snow drifted and the sledge flew on, and sometimes it gave a jerk as though they were driving over hedges and ditches. He was quite frightened, and he tried to repeat the Lord's Prayer; but all he could do, he was only able to remember the multiplication table.
Photo_9


・bold=ずうずうしい、厚かましい
・cart=〔二輪の〕荷馬車
・capital=素晴らしい
・height of=~の真っただ中
・wrap up=包む、くるむ
・rough=毛深い、ぼさぼさの、毛足の長い
・mantle=マント
・fur=毛皮(製品)
・it=Kay's sledge
・thickly=頻繁に、ひっきりなしに
・of no use=まったく役に立たない
・vehicle=車、乗り物:ここでは”a large sledge”を指す
・drift=〔風で雪・砂などが〕吹きだまりになる
・flew on:fly on=飛び続ける、飛ぶように疾走し続ける
・jerk=急に動くこと、ぐいと引っ張ること
・hedge=垣根、障壁
・ditch=溝、水路
・Lord's Prayer=主の祈り
・multiplication table=(掛け算の)九九表、掛け算表


その大きなひろばでは、こどもたちのなかでも、あつかましいのが、そりを、おひゃくしょうたちの馬車の、うしろにいわえつけて、じょうずに馬車といっしょにすべっていました。これは、なかなかおもしろいことでした。こんなことで、こどもたちたれも、むちゅうになってあそんでいると、そこへ、いちだい、大きなそりがやってきました。それは、まっ白にぬってあって、なかにたれだか、そまつな白い毛皮(けがわ)にくるまって、白いそまつなぼうしをかぶった人がのっていました。そのそりは二回ばかり、ひろばをぐるぐるまわりました。そこでカイは、さっそくそれに、じぶんのちいさなそりを、しばりつけて、いっしょにすべっていきました。その大そりは、だんだんはやくすべって、やがて、つぎの大通を、まっすぐに、はしっていきました。そりをはしらせていた人は、くるりとふりかえって、まるでよくカイをしっているように、なれなれしいようすで、うなずきましたので、カイはついそりをとくのをやめてしまいました。こんなぐあいにして、とうとうそりは町の門のそとに、でてしまいました。そのとき、雪が、ひどくふってきたので、カイはじぶんの手のさきもみることができませんでした。それでもかまわず、そりははしっていきました。カイはあせって、しきりとつなをうごかして、その大そりからはなれようとしましたが、小そりはしっかりと大そりにしばりつけられていて、どうにもなりませんでした。ただもう、大そりにひっぱられて、風のようにとんでいきました。カイは大声をあげて、すくいをもとめましたが、たれの耳にも、きこえませんでした。雪はぶっつけるようにふりしきりました。そりは前へ前へと、とんでいきました。ときどき、そりがとびあがるのは、生(いけ)がきや、おほりの上を、とびこすのでしょうか、カイはまったくふるえあがってしまいました。主のおいのりをしようと思っても、あたまにうかんでくるのは、かけざんの九九ばかりでした。


The snow-flakes grew larger and larger, till at last they looked just like great white fowls. Suddenly they flew on one side; the large sledge stopped, and the person who drove rose up. It was a lady; her cloak and cap were of snow. She was tall and of slender figure, and of a dazzling whiteness. It was the Snow Queen.


・fowl=ニワトリ
・cloak=マント


こな雪のかたまりは、だんだん大きくなって、しまいには、大きな白いにわとりのようになりました。ふとその雪のにわとりが、両がわにとびたちました。とたんに、大そりはとまりました。そりをはしらせていた人が、たちあがったのを見ると、毛皮のがいとうもぼうしも、すっかり雪でできていました。それはすらりと、背の高い、目のくらむようにまっ白な女の人でした。それが雪の女王だったのです。


big sledgeを運転していたsomeone、the personは、実は「雪の女王」だったわけですね。


"We have travelled fast," said she; "but it is freezingly cold. Come under my bearskin." And she put him in the sledge beside her, wrapped the fur round him, and he felt as though he were sinking in a snow-wreath.


・bearskin=クマの毛皮
・wreath=(煙・雲などの)渦巻き.


「ずいぶんよくはしったわね。」と、雪の女王はいいました。「あら、あんた、ふるえているのね。わたしのくまの毛皮におはいり。」
 こういいながら女王は、カイをじぶんのそりにいれて、かたわらにすわらせ、カイのからだに、その毛皮をかけてやりました。するとカイは、まるで雪のふきつもったなかに、うずめられたように感じました。


"Are you still cold?" asked she; and then she kissed his forehead. Ah! it was colder than ice; it penetrated to his very heart, which was already almost a frozen lump; it seemed to him as if he were about to die--but a moment more and it was quite congenial to him, and he did not remark the cold that was around him.


・congenial=心地良い、気持ちが良い
・remark=~に気付く


「まださむいの。」と、女王はたずねました。それからカイのひたいに、ほおをつけました。まあ、それは、氷よりももっとつめたい感じでした。そして、もう半分氷のかたまりになりかけていた、カイのしんぞうに、じいんとしみわたりました。カイはこのまま死んでしまうのではないかと、おもいました。――けれど、それもほんのわずかのあいだで、やがてカイは、すっかり、きもちがよくなって、もう身のまわりのさむさなど、いっこう気にならなくなりました。


"My sledge! Do not forget my sledge!" It was the first thing he thought of. It was there tied to one of the white chickens, who flew along with it on his back behind the large sledge. The Snow Queen kissed Kay once more, and then he forgot little Gerda, grandmother, and all whom he had left at his home.


"Now you will have no more kisses," said she, "or else I should kiss you to death!"


・or else=あるいは、さもないと


「ぼくのそりは――ぼくのそりを、わすれちゃいけない。」
 カイがまず第一におもいだしたのは、じぶんのそりのことでありました。そのそりは、白いにわとりのうちの一わに、しっかりとむすびつけられました。このにわとりは、そりをせなかにのせて、カイのうしろでとんでいました。雪の女王は、またもういちど、カイにほおずりしました。それで、カイは、もう、かわいらしいゲルダのことも、おばあさまのことも、うちのことも、なにもかも、すっかりわすれてしまいました。
「さあ、もうほおずりはやめましょうね。」と、雪の女王はいいました。「このうえすると、お前を死なせてしまうかもしれないからね。」


Kay looked at her. She was very beautiful; a more clever, or a more lovely countenance he could not fancy to himself; and she no longer appeared of ice as before, when she sat outside the window, and beckoned to him; in his eyes she was perfect, he did not fear her at all, and told her that he could calculate in his head and with fractions, even; that he knew the number of square miles there were in the different countries, and how many inhabitants they contained; and she smiled while he spoke. It then seemed to him as if what he knew was not enough, and he looked upwards in the large huge empty space above him, and on she flew with him; flew high over the black clouds, while the storm moaned and whistled as though it were singing some old tune. On they flew over woods and lakes, over seas, and many lands; and beneath them the chilling storm rushed fast, the wolves howled, the snow crackled; above them flew large screaming crows, but higher up appeared the moon, quite large and bright; and it was on it that Kay gazed during the long long winter's night; while by day he slept at the feet of the Snow Queen.


・countenance=顔つき、表情
・fancy=想像する
・appear=〔~のように〕見える、〔~と〕思われる
・calculate=~を計算する、予測する、予想する
・fraction=端数、分数
・square miles=平方マイル
・the number of square miles there were in the different countries=さまざまな国の面積が何平方マイルあるか
・inhabitant=住民
・they=the different countries
・moan=〔風が〕うなる
・whistle=ヒューと鳴って飛ぶ
・chilling=恐ろしい、ぞっとする
・howl=(犬・オオカミなどが)(声を長く引いて)ほえる、遠ぼえする
・crackle=パチパチ音を立てる
・crow=カラス
・by day=日中は、昼間は


カイは女王をみあげました。まあそのうつくしいことといったら。カイは、これだけかしこそうなりっぱな顔がほかにあろうとは、どうしたっておもえませんでした。いつか窓のところにきて、手まねきしてみせたときとちがって、もうこの女王が、氷でできているとは、おもえなくなりました。カイの目には、女王は、申しぶんなくかんぜんで、おそろしいなどとは、感じなくなりました。それでうちとけて、じぶんは分数(ぶんすう)までも、あんざんで、できることや、じぶんの国が、いく平方マイルあって、どのくらいの人口があるか、しっていることまで、話しました。女王は、しじゅう、にこにこして、それをきいていました。それが、なんだ、しっていることは、それっぱかしかと、いわれたようにおもって、あらためて、ひろいひろい大空をあおぎました。すると、女王はカイをつれて、たかくとびました。高い黒雲の上までも、とんで行きました。あらしはざあざあ、ひゅうひゅう、ふきすさんで、昔の歌でもうたっているようでした。女王とカイは、森や、湖や、海や、陸の上を、とんで行きました。下のほうでは、つめたい風がごうごううなって、おおかみのむれがほえたり、雪がしゃっしゃっときしったりして、その上に、まっくろなからすがカアカアないてとんでいました。しかし、はるか上のほうには、お月さまが、大きくこうこうと、照っていました。このお月さまを、ながいながい冬の夜じゅう、カイはながめてあかしました。ひるになると、カイは女王の足もとでねむりました。


カイはすっかり「雪の女王」のとりこです……

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