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英語でアンデルセン童話「雪の女王」3

原点はProject Gutenberg、邦訳は青空文庫、楠山正雄訳を使わせていただきます。

In the evening, when little Kay was at home, and half undressed, he climbed up on the chair by the window, and peeped out of the little hole. A few snow-flakes were falling, and one, the largest of all, remained lying on the edge of a flower-pot.


・flake=薄片、破片


その夕方、カイはうちにいて、着物(きもの)を半分(はんぶん)ぬぎかけながら、ふとおもいついて、窓のそばの、いすの上にあがって、れいのちいさなのぞきあなから、外をながめました。おもてには、ちらちら、こな雪が舞(ま)っていましたが、そのなかで大きなかたまりがひとひら、植木箱のはしにおちました。


The flake of snow grew larger and larger; and at last it was like a young lady, dressed in the finest white gauze, made of a million little flakes like stars. She was so beautiful and delicate, but she was of ice, of dazzling, sparkling ice; yet she lived; her eyes gazed fixedly, like two stars; but there was neither quiet nor repose in them. She nodded towards the window, and beckoned with her hand. The little boy was frightened, and jumped down from the chair; it seemed to him as if, at the same moment, a large bird flew past the window.


・gauze=紗(しゃ)、絽(ろ)
・delicate=優美な
・dazzling=まぶしい、輝かしい、まばゆい
・sparkling=輝く、光る、きらめく
・gaze fixedly=~をじっと見詰める
・quiet=静けさ
・repose=安らぎ
・beckon=手招きする


するとみるみるそれは大きくなって、とうとうそれが、まがいのない、わかい、ひとりの女の人になりました。もう何百万という数の、星のように光るこな雪で織(お)った、うすい白い紗(しゃ)の着物(きもの)を着ていました。やさしい女の姿はしていましたが、氷のからだをしていました。ぎらぎらひかる氷のからだをして、そのくせ生きているのです。その目は、あかるい星をふたつならべたようでしたが、おちつきも休みもない目でした。女は、カイのいる窓のほうに、うなずきながら、手まねぎしました。カイはびっくりして、いすからとびおりてしまいました。すぐそのあとで、大きな鳥が、窓の外をとんだような、けはいがしました。


The next day it was a sharp frost--and then the spring came; the sun shone, the green leaves appeared, the swallows built their nests, the windows were opened, and the little children again sat in their pretty garden, high up on the leads at the top of the house.


・sharp frost=厳しい霜[寒さ]
・leads=〔英〕(pl.) トタン屋根


そのあくる日は、からりとした、霜日(しもび)よりでした。――それからは、日にまし、雪どけのようきになって、とうとう春が、やってきました。お日さまはあたたかに、照(て)りかがやいて、緑(みどり)がもえだし、つばめは巣をつくりはじめました。あのむかいあわせの屋根うらべやの窓も、また、あけひろげられて、カイとゲルダとは、アパートのてっぺんの屋根上の雨(あま)どいの、ちいさな花ぞので、ことしもあそびました。


That summer the roses flowered in unwonted beauty. The little girl had learned a hymn, in which there was something about roses; and then she thought of her own flowers; and she sang the verse to the little boy, who then sang it with her:


・unwonted=めったにない、まれな
・hymn=賛美歌


この夏は、じつにみごとに、ばらの花がさきました。女の子のゲルダは、ばらのことのうたわれている、さんび歌をしっていました。そして、ばらの花というと、ゲルダはすぐ、じぶんの花ぞののばらのことをかんがえました。ゲルダは、そのさんび歌を、カイにうたってきかせますと、カイもいっしょにうたいました。


"The rose in the valley is blooming so sweet,
And angels descend there the children to greet."


And the children held each other by the hand, kissed the roses, looked up at the clear sunshine, and spoke as though they really saw angels there. What lovely summer-days those were! How delightful to be out in the air, near the fresh rose-bushes, that seem as if they would never finish blossoming!


・sweet=香りの良い
・descend=降りる
・clear=明るい、視界を遮るものがない
・fresh=咲いたばかりの、茂ったばかりの
・bush=茂み


「ばらのはな さきてはちりぬ
 おさなごエス やがてあおがん」
 ふたりのこどもは、手をとりあって、ばらの花にほおずりして、神さまの、みひかりのかがやく、お日さまをながめて、おさなごエスが、そこに、おいでになるかのように、うたいかけました。なんという、楽しい夏の日だったでしょう。いきいきと、いつまでもさくことをやめないようにみえる、ばらの花のにおいと、葉のみどりにつつまれた、この屋根の上は、なんていいところでしたろう。


Kay and Gerda looked at the picture-book full of beasts and of birds; and it was then--the clock in the church-tower was just striking five--that Kay said, "Oh! I feel such a sharp pain in my heart; and now something has got into my eye!"


The little girl put her arms around his neck. He winked his eyes; now there was nothing to be seen.


"I think it is out now," said he; but it was not. It was just one of those pieces of glass from the magic mirror that had got into his eye; and poor Kay had got another piece right in his heart. It will soon become like ice. It did not hurt any longer, but there it was.


・it was not=it was not out(目に入ったものが外に出たわけではなかった)
・right=ちょうど
・It will soon become like ice. It did not hurt any longer, but there it was.=カイの心はもうすぐ氷のようになる。心はもう痛まなかったが、鏡の破片は心の中にあった:FIRST STORYに"Some persons even got a splinter in their heart, and then it made one shudder, for their heart became like a lump of ice. "とある。


カイとゲルダは、ならんで掛けて、けものや鳥のかいてある、絵本をみていました。ちょうどそのとき――お寺の、大きな塔(とう)の上で、とけいが、五つうちましたが――カイは、ふと、
「あッ、なにかちくりとむねにささったよ。それから、目にもなにかとびこんだようだ。」と、いいました。
 あわてて、カイのくびを、ゲルダがかかえると、男の子は目をぱちぱちやりました。でも、目のなかにはなにもみえませんでした。
「じゃあ、とれてしまったのだろう。」と、カイはいいましたが、それは、とれたのではありませんでした。カイの目にはいったのは、れいの鏡から、とびちったかけらでした。そら、おぼえているでしょう。あのいやな、魔法(まほう)の鏡のかけらで、その鏡にうつすと、大きくていいものも、ちいさく、いやなものに、みえるかわり、いけないわるいものほど、いっそうきわだってわるく見え、なんによらず、物事(ものごと)のあらが、すぐめだって見えるのです。かわいそうに、カイは、しんぞうに、かけらがひとつはいってしまいましたから、まもなく、それは氷のかたまりのように、なるでしょう。それなり、もういたみはしませんけれども、たしかに、しんぞうの中にのこりました。


"What are you crying for?" asked he. "You look so ugly! There's nothing the matter with me. Ah," said he at once, "that rose is cankered! And look, this one is quite crooked! After all, these roses are very ugly! They are just like the box they are planted in!" And then he gave the box a good kick with his foot, and pulled both the roses up.


・canker=腐らせる
・crooked=曲がっている、ねじれた
・give a good kic=うまく蹴る
・both=that roseとthis one(rose)


「なんだってべそをかくんだ。」と、カイはいいました。「そんなみっともない顔をして、ぼくは、もうどうもなってやしないんだよ。」
「チェッ、なんだい。」こんなふうに、カイはふいに、いいだしました。「あのばらは虫がくっているよ。このばらも、ずいぶんへんてこなばらだ。みんなきたならしいばらだな。植わっている箱も箱なら、花も花だ。」
 こういって、カイは、足で植木の箱をけとばして、ばらの花をひきちぎってしまいました。


"What are you doing?" cried the little girl; and as he perceived her fright, he pulled up another rose, got in at the window, and hastened off from dear little Gerda.


Afterwards, when she brought her picture-book, he asked, "What horrid beasts have you there?" And if his grandmother told them stories, he always interrupted her; besides, if he could manage it, he would get behind her, put on her spectacles, and imitate her way of speaking; he copied all her ways, and then everybody laughed at him. He was soon able to imitate the gait and manner of everyone in the street. Everything that was peculiar and displeasing in them--that Kay knew how to imitate: and at such times all the people said, "The boy is certainly very clever!" But it was the glass he had got in his eye; the glass that was sticking in his heart, which made him tease even little Gerda, whose whole soul was devoted to him.


・horrid=ひどく嫌な、恐ろしい
・get behind=~の後ろに回る
・gait=歩き方
・peculiar=特異な、変な、風変わりな、おかしな
・displeasing=不快にする
・tease=からかう


「カイちゃん、あんた、なにをするの。」と、ゲルダはさけびました。
 カイは、ゲルダのおどろいた顔をみると、またほかのばらの花を、もぎりだしました。それから、じぶんのうちの窓の中にとびこんで、やさしいゲルダとも、はなれてしまいました。
 ゲルダがそのあとで、絵本(えほん)をもってあそびにきたとき、カイは、そんなもの、かあさんにだっこされている、あかんぼのみるものだ、といいました。また、おばあさまがお話をしても、カイはのべつに「だって、だって。」とばかりいっていました。それどころか、すきをみて、おばあさまのうしろにまわって、目がねをかけて、おばあさまの口まねまで、してみせました。しかも、なかなかじょうずにやったので、みんなはおかしがってわらいました。まもなくカイは、町じゅうの人たちの、身ぶりや口まねでも、できるようになりました。なんでも、ひとくせかわったことや、みっともないことなら、カイはまねすることをおぼえました。
「あの子はきっと、いいあたまなのにちがいない。」と、みんないいましたが、それは、カイの目のなかにはいった鏡のかけらや、しんぞうの奥ふかくささった、鏡のかけらのさせることでした。そんなわけで、カイはまごころをささげて、じぶんをしたってくれるゲルダまでも、いじめだしました。


His games now were quite different to what they had formerly been, they were so very knowing. One winter's day, when the flakes of snow were flying about, he spread the skirts of his blue coat, and caught the snow as it fell.


・game=策略、もくろみ、冗談
・knowing=抜け目のない、知ったかぶりの
・skirt=すそ


カイのあそびも、すっかりかわって、ひどくこましゃくれたものになりました。――ある冬の日、こな雪がさかんに舞いくるっているなかで、カイは大きな虫目がねをもって、そとにでました。そして青いうわぎのすそをひろげて、そのうえにふってくる雪をうけました。


"Look through this glass, Gerda," said he. And every flake seemed larger, and appeared like a magnificent flower, or beautiful star; it was splendid to look at!


"Look, how clever!" said Kay. "That's much more interesting than real flowers! They are as exact as possible; there is not a fault in them, if they did not melt!"


・clever=器用な、巧みな
・exact=正確な


「さあ、この目がねのところからのぞいてごらん、ゲルダちゃん。」と、カイはいいました。なるほど、雪のひとひらが、ずっと大きく見えて、みごとにひらいた花か、六角の星のようで、それはまったくうつくしいものでありました。
「ほら、ずいぶんたくみにできているだろう。ほんとうの花なんか見るよりも、ずっとおもしろいよ。かけたところなんか、ひとつだってないものね。きちんと形をくずさずにいるのだよ。ただとけさえしなければね。」と、カイはいいました。


It was not long after this, that Kay came one day with large gloves on, and his little sledge at his back, and bawled right into Gerda's ears, "I have permission to go out into the square where the others are playing"; and off he was in a moment.


・sledge=そり
・bawl=どなる、叫ぶ
・square=広場


そののちまもなく、カイはあつい手ぶくろをはめて、そりをかついで、やってきました。そしてゲルダにむかって、
「ぼく、ほかのこどもたちのあそんでいる、ひろばのほうへいってもいいと、いわれたのだよ。」と、ささやくと、そのままいってしまいました。


カイの様子がすっかり変わってしまいました…

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