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英語でアンデルセン童話「雪の女王」1

小さい頃、よく読んでいた覚えがある『雪の女王』です。
原点はProject Gutenberg、邦訳は青空文庫、楠山正雄訳を使わせていただきます。

THE SNOW QUEEN


FIRST STORY. Which Treats of a Mirror and of the Splinters


・splinter=破片


第一のお話

   鏡とそのかけらのこと


Now then, let us begin. When we are at the end of the story, we shall know more than we know now: but to begin.


Once upon a time there was a wicked sprite, indeed he was the most mischievous of all sprites. One day he was in a very good humor, for he had made a mirror with the power of causing all that was good and beautiful when it was reflected therein, to look poor and mean; but that which was good-for-nothing and looked ugly was shown magnified and increased in ugliness. In this mirror the most beautiful landscapes looked like boiled spinach, and the best persons were turned into frights, or appeared to stand on their heads; their faces were so distorted that they were not to be recognised; and if anyone had a mole, you might be sure that it would be magnified and spread over both nose and mouth.


・sprite=妖精、小人
・in a good humor=機嫌がいい、上機嫌で
・therein=【副】 その中に、その場所に
・cause~to…=~を…させる
・mean=みすぼらしい
・good-for-nothing=何の役にも立たない
・magnified=誇張された
・spinach=ほうれん草
・fright=ゾッとさせるような人
・stand on one's head=何でもする
・are not to=cannot=~できない
・mole=ほくろ、あざ


さあ、きいていらっしゃい。はじめますよ。このお話をおしまいまできくと、だんだんなにかがはっきりしてきて、つまり、それがわるい魔法使(まほうつかい)のお話であったことがわかるのです。この魔法使というのは、なかまでもいちばんいけないやつで、それこそまがいなしの「悪魔(あくま)」でした。
 さて、ある日のこと、この悪魔は、たいそうなごきげんでした。というわけは、それは、鏡をいちめん作りあげたからでしたが、その鏡というのが、どんなけっこうなうつくしいものでも、それにうつると、ほとんどないもどうぜんに、ちぢこまってしまうかわり、くだらない、みっともないようすのものにかぎって、よけいはっきりと、いかにもにくにくしくうつるという、ふしぎなせいしつをもったものでした。どんなうつくしいけしきも、この鏡にうつすと、煮(に)くたらしたほうれんそうのように見え、どんなにりっぱなひとたちも、いやなかっこうになるか、どうたいのない、あたまだけで、さかだちするかしました。顔は見ちがえるほどゆがんでしまい、たった、ひとつぼっちのそばかすでも、鼻や口いっぱいに大きくひろがって、うつりました。


何を映すにしても、悪く見えるようになるってことね…



"That's glorious fun!" said the sprite. If a good thought passed through a man's mind, then a grin was seen in the mirror, and the sprite laughed heartily at his clever discovery. All the little sprites who went to his school--for he kept a sprite school--told each other that a miracle had happened; and that now only, as they thought, it would be possible to see how the world really looked. They ran about with the mirror; and at last there was not a land or a person who was not represented distorted in the mirror. So then they thought they would fly up to the sky, and have a joke there. The higher they flew with the mirror, the more terribly it grinned: they could hardly hold it fast. Higher and higher still they flew, nearer and nearer to the stars, when suddenly the mirror shook so terribly with grinning, that it flew out of their hands and fell to the earth, where it was dashed in a hundred million and more pieces. And now it worked much more evil than before; for some of these pieces were hardly so large as a grain of sand, and they flew about in the wide world, and when they got into people's eyes, there they stayed; and then people saw everything perverted, or only had an eye for that which was evil. This happened because the very smallest bit had the same power which the whole mirror had possessed. Some persons even got a splinter in their heart, and then it made one shudder, for their heart became like a lump of ice. Some of the broken pieces were so large that they were used for windowpanes, through which one could not see one's friends. Other pieces were put in spectacles; and that was a sad affair when people put on their glasses to see well and rightly. Then the wicked sprite laughed till he almost choked, for all this tickled his fancy. The fine splinters still flew about in the air: and now we shall hear what happened next.



・glorious=〔素晴らしく〕楽しい、愉快な
・have a joke=冗談を言う、ふざける
・terribly=ひどく
・fast=しっかりと
・dash=粉々に打ち砕く
・grain=一粒
・perverted=ゆがんだ、邪悪な
・have an eye for~=~を見る目がある
・that=everything
・only had an eye for that which was evil=邪悪なものしか見えなくなった
・shudder=身震いする
・spectacles=メガネ
・choke=むせる、息が詰まる
・tickle=~をくすぐる
・fancy=想像力、気まぐれ
・fine=〔粒子などが〕細かい


「こりゃおもしろいな。」と、その悪魔はいいました。ここに、たれかが、やさしい、つつましい心をおこしますと、それが鏡には、しかめっつらにうつるので、この魔法使の悪魔は、じぶんながら、こいつはうまい発明(はつめい)だわいと、ついわらいださずには、いられませんでした。
 この悪魔は、魔法学校をひらいていましたが、そこにかよっている魔生徒どもは、こんどふしぎなものがあらわれたと、ほうぼうふれまわりました。
 さて、この鏡ができたので、はじめて世界や人間のほんとうのすがたがわかるのだと、このれんじゅうはふいちょうしてあるきました。で、ほうぼうへその鏡をもちまわったものですから、とうとうおしまいには、どこの国でも、どの人でも、その鏡にめいめいの、ゆがんだすがたをみないものは、なくなってしまいました。こうなると、図にのった悪魔のでしどもは、天までも昇(のぼ)っていって、天使(てんし)たちや神さままで、わらいぐさにしようとおもいました。ところで、高く高くのぼって行けば、行くほど、その鏡はよけいひどく、しかめっつらをするので、さすがの悪魔も、おかしくて、もっていられなくなりました。でもかまわず、高く高くとのぼっていって、もう神さまや天使のお住居(すまい)に近くなりました。すると、鏡はあいかわらず、しかめっつらしながら、はげしくぶるぶるふるえだしたものですから、ついに悪魔どもの手から、地の上へおちて、何千万、何億万、というのではたりない、たいへんな数に、こまかくくだけて、とんでしまいました。ところが、これがため、よけい下界(げかい)のわざわいになったというわけは、鏡のかけらは、せいぜい砂つぶくらいの大きさしかないのが、世界じゅうにとびちってしまったからで、これが人の目にはいると、そのままそこにこびりついてしまいました。すると、その人たちは、なんでも物をまちがってみたり、ものごとのわるいほうだけをみるようになりました。それは、そのかけらが、どんなちいさなものでも、鏡がもっていたふしぎな力を、そのまま、まだのこしてもっていたからです。なかにはまた、人のしんぞうにはいったものがあって、そのしんぞうを、氷のかけらのように、つめたいものにしてしまいました。そのうちいくまいか大きなかけらもあって、窓ガラスに使われるほどでしたが、そんな窓ガラスのうちから、お友だちをのぞいてみようとしても、まるでだめでした。ほかのかけらで、めがねに用いられたものもありましたが、このめがねをかけて、物を正しく、まちがいのないように見ようとすると、とんださわぎがおこりました。悪魔はこんなことを、たいへんおもしろがって、おなかをゆすぶって、くすぐったがって、わらいました。ところで、ほかにもまだ、こまかいかけらは、空のなかにただよっていました。さあ、これからがお話なのですよ。


第一話の終わりです。なんでも邪悪に見えてしまう鏡の破片、いったいどこへ飛んで行くのでしょうか……

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