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英語でグリム童話『白雪姫』(2)

森に取り残された白雪姫は…

But now the poor child was all alone in the great forest, and so terrified that she looked at every leaf of every tree, and did not know what to do. Then she began to run, and ran over sharp stones and through thorns, and the wild beasts ran past her, but did her no harm.


・thorn=とげのある植物


さて、かわいそうなお姫さまは、大きな森の中で、たったひとりぼっちになってしまって、こわくってたまらず、いろいろな木の葉っぱを見ても、どうしてよいのか、わからないくらいでした。お姫さまは、とにかくかけだして、とがった石の上をとびこえたり、イバラの中をつきぬけたりして、森のおくの方へとすすんでいきました。ところが、けだものはそばをかけすぎますけれども、すこしもお姫さまをきずつけようとはしませんでした。


She ran as long as her feet would go until it was almost evening; then she saw a little cottage and went into it to rest herself. Everything in the cottage was small, but neater and cleaner than can be told. There was a table on which was a white cover, and seven little plates, and on each plate a little spoon; moreover, there were seven little knives and forks, and seven little mugs. Against the wall stood seven little beds side by side, and covered with snow-white counterpanes.


・go=動く、働く、先へ進む
・neat=きちんとした、きれいな
・neater and cleaner than can be told=言い尽くせないほどきれいな
・side by side=並んで
・counterpane=ベッドカバー


白雪姫は、足のつづくかぎり走りつづけて、とうとうゆうがたになるころに、一軒(けん)の小さな家(うち)を見つけましたので、つかれを休めようと思って、その中にはいりました。その家の中にあるものは、なんでもみんな小さいものばかりでしたが、なんともいいようがないくらいりっぱで、きよらかでした。
 そのへやのまん中には、ひとつの白い布(きれ)をかけたテーブルがあって、その上には、七つの小さなお皿(さら)があって、またその一つ一つには、さじに、ナイフに、フォークがつけてあって、なおそのほかに、七つの小さなおさかずきがおいてありました。そして、また壁(かべ)ぎわのところには、七つの小さな寝(ね)どこが、すこしあいだをおいて、じゅんじゅんにならんで、その上には、みんな雪のように白い麻(あさ)の敷布(しきふ)がしいてありました。


七人の小人の家はきれいに片付いていたのですね!結局、白雪姫が食べ散らかしてしまうことになる…(笑)


Little Snow-white was so hungry and thirsty that she ate some vegetables and bread from each plate and drank a drop of wine out of each mug, for she did not wish to take all from one only. Then, as she was so tired, she laid herself down on one of the little beds, but none of them suited her; one was too long, another too short, but at last she found that the seventh one was right, and so she remained in it, said a prayer and went to sleep.


白雪姫は、たいへんおなかがすいて、おまけにのどもかわいていましたから、一つ一つのお皿(さら)から、すこしずつやさいのスープとパンをたべ、それから、一つ一つのおさかずきから、一滴(てき)ずつブドウ酒(しゅ)をのみました。それは、一つところのを、みんなたべてしまうのは、わるいと思ったからでした。それが、すんでしまうと、こんどは、たいへんつかれていましたから、ねようと思って、一つの寝どこにはいってみました。けれども、どれもこれもちょうどうまくからだにあいませんでした。長すぎたり、短すぎたりしましたが、いちばんおしまいに、七ばんめの寝どこが、やっとからだにあいました。それで、その寝どこにはいって、神さまにおいのりをして、そのままグッスリねむってしまいました。


When it was quite dark the owners of the cottage came back; they ere seven dwarfs who dug and delved in the mountains for ore. They lit their seven candles, and as it was now light within the cottage they saw that someone had been there, for everything was not in the same order in which they had left it.


・dwarf=小人
・dug:dig(掘る)の過去形
・delve=地面を深く掘る
・ore=鉱石


日がくれて、あたりがまっくらになったときに、この小さな家の主人たちがかえってきました。その主人たちというのは、七人の小人(こびと)でありました。この小人たちは、毎日、山の中にはいりこんで、金や銀(ぎん)のはいった石をさがして、よりわけたり、ほりだしたりするのが、しごとでありました。小人(こびと)はじぶんたちの七つのランプに火をつけました。すると、家の中がパッとあかるくなりますと、だれかが、その中にいるということがわかりました。それは、小人たちが家をでかけたときのように、いろいろのものが、ちゃんとおいてなかったからでした。


The first said, "Who has been sitting on my chair?"


The second, "Who has been eating off my plate?"


The third, "Who has been taking some of my bread?"


The fourth, "Who has been eating my vegetables?"


The fifth, "Who has been using my fork?"


The sixth, "Who has been cutting with my knife?"


The seventh, "Who has been drinking out of my mug?"


第一の小人が、まず口をひらいて、いいました。
「だれか、わしのいすに腰(こし)をかけた者があるぞ。」
 すると、第二の小人がいいました。
「だれか、わしのお皿(さら)のものをすこしたべた者があるぞ。」
 第三の小人がいいました。
「だれか、わしのパンをちぎった者があるぞ。」
 第四の小人がいいました。
「だれか、わしのやさいをたべた者があるぞ。」
 第五の小人がいいました。
「だれかわしのフォークを使った者があるぞ。」
 第六の小人(こびと)がいいました。
「だれか、わしのナイフで切った者があるぞ。」
 第七の小人がいいました。
「だれか、わしのさかずきでのんだ者があるぞ。」


Then the first looked round and saw that there was a little hole on his bed, and he said, "Who has been getting into my bed?" The others came up and each called out, "Somebody has been lying in my bed too." But the seventh when he looked at his bed saw little Snow-white, who was lying asleep therein. And he called the others, who came running up, and they cried out with astonishment, and brought their seven little candles and let the light fall on little Snow-white.  "Oh, heavens! oh, heavens!" cried they, "what a lovely child!" and they were so glad that they did not wake her up, but let her sleep on in the bed. And the seventh dwarf slept with his companions, one hour with each, and so got through the night.


・got through the night=夜をうまく持ちこたえた


それから、第一の小人が、ほうぼうを見まわしますと、じぶんの寝(ね)どこが、くぼんでいるのを見つけて、声をたてました。
「だれが、わしの寝どこにはいりこんだのだ。」
 すると、ほかの小人(こびと)たちが寝(ね)どこへかけつけてきて、さわぎだしました。
「わしの寝どこにも、だれかがねたぞ。」
 けれども、第七ばんめの小人は、じぶんの寝どこへいってみると、その中に、はいってねむっている白雪姫を見つけました。こんどは、第七ばんめの小人が、みんなをよびますと、みんなは、なにがおこったのかと思ってかけよってきて、びっくりして声をたてながら七つのランプを持ってきて白雪姫をてらしました。
「おやおやおやおや、なんて、この子は、きれいなんだろう。」と、小人(こびと)はさけびました。それから小人たちは、大よろこびで、白雪姫(しらゆきひめ)をおこさないで、寝(ね)どこの中に、そのままソッとねさせておきました。そして、七ばんめの小人は、一時間ずつほかの小人の寝どこにねるようにして、その夜をあかしました。


When it was morning little Snow-white awoke, and was frightened when she saw the seven dwarfs. But they were friendly and asked her what her name was. "My name is Snow-white," she answered. "How have you come to our house?" said the dwarfs. Then she told them that her step-mother had wished to have her killed, but that the huntsman had spared her life, and that she had run for the whole day, until at last she had found their dwelling. The dwarfs said, "If you will take care of our house, cook, make the beds, wash, sew, and knit, and if you will keep everything neat and clean, you can stay with us and you shall want for nothing." "Yes," said Snow-white, "with all my heart," and she stayed with them.  She kept the house in order for them; in the mornings they went to the mountains and looked for copper and gold, in the evenings they came back, and then their supper had to be ready. The girl was alone the whole day, so the good dwarfs warned her and said, "Beware of your step-mother, she will soon know that you are here; be sure to let no one come in."


・spare=助命する、救う
・dwelling=住居
・shall=二[三]人称で話者の意思・約束・威かくを表す (You ~ have it. 君にあげよう; He ~ come. 彼を来させなさい)
・want for nothing=何一つ不自由しない、不自由なく暮らす
・with all my heart=心から
・Beware of~=~に気を付ける
・be sure to~=必ず~しなさい


朝になって、白雪姫は目をさまして、七人の小人を見て、おどろきました。けれども、小人たちは、たいへんしんせつにしてくれて、「おまえさんの名まえはなんというのかな。」とたずねました。すると、
「わたしの名まえは、白雪姫というのです。」と、お姫さまは答えました。
「おまえさんは、どうして、わたしたちの家(うち)にはいってきたのかね。」と、小人たちはききました。そこで、お姫さまは、まま母が、じぶんをころそうとしたのを、かりうどが、そっと助けてくれたので、一日じゅう、かけずりまわって、やっと、この家を見つけたことを、小人たちに話しました。その話をきいて、小人たちは、
「もしも、おまえさんが、わしたちの家の中のしごとをちゃんと引きうけて、にたきもすれば、おとこものべるし、せんたくも、ぬいものも、あみものも、きちんときれいにする気があれば、わしたちは、おまえさんを家(うち)においてあげて、なんにもふそくのないようにしてあげるんだが。」といいました。
「どうぞ、おねがいします。」と、お姫さまはたのみました。それからは、白雪姫(しらゆきひめ)は、小人(こびと)の家にいることになりました。
 白雪姫は、小人の家のしごとを、きちんとやります。小人の方では毎朝、山にはいりこんで、金や銀(ぎん)のはいった石をさがし、夜になると、家にかえってくるのでした。そのときまでに、ごはんのしたくをしておかねばなりませんでした。ですから、ひるまは白雪姫は、たったひとりでるすをしなければなりませんので、しんせつな小人たちは、こんなことをいいました。
「おまえさんのまま母さんに用心なさいよ。おまえさんが、ここにいることを、すぐ知るにちがいない。だから、だれも、この家の中にいれてはいけないよ。」


But the Queen, believing that she had eaten Snow-white's heart, could not but think that she was again the first and most beautiful of all; and she went to her looking-glass and said---


"Looking-glass, Looking-glass, on the wall,
Who in this land is the fairest of all?"


and the glass answered --


"Oh, Queen, thou art fairest of all I see,
But over the hills, where the seven dwarfs dwell,
Snow-white is still alive and well,


And none is so fair as she."


・could not but~=~せずにはいられなかった
・thou art=【古】you are


こんなことはすこしも知らない女王さまは、かりうどが白雪姫をころしてしまったものだと思って、じぶんが、また第一のうつくしい女になったと安心していましたので、あるとき鏡(かがみ)の前にいって、いいました。

「鏡や、鏡、壁(かべ)にかかっている鏡よ。
 国じゅうで、だれがいちばんうつくしいか、いっておくれ。」

 すると、鏡が答えました。

「女王(じょおう)さま、ここでは、あなたがいちばんうつくしい。
 けれども、いくつも山こした、
 七人の小人の家にいる白雪姫(しらゆきひめ)は、
 まだ千ばいもうつくしい。」


Then she was astounded, for she knew that the looking-glass never spoke falsely, and she knew that the huntsman had betrayed her, and that little Snow-white was still alive.


・astounded=びっくりする、がくぜんとする
・falsely=偽って
・betray=裏切る


これをきいたときの、女王さまのおどろきようといったらありませんでした。この鏡は、けっしてまちがったことをいわない、ということを知っていましたので、かりうどが、じぶんをだましたということも、白雪姫が、まだ生きているということも、みんなわかってしまいました。


And so she thought and thought again how she might kill her, for so long as she was not the fairest in the whole land, envy let her have no rest. And when she had at last thought of something to do, she painted her face, and dressed herself like an old pedler-woman, and no one could have known her. In this disguise she went over the seven mountains to the seven dwarfs, and knocked at the door and cried, "Pretty things to sell, very cheap, very cheap." Little Snow-white looked out of the window and called out, "Good-day my good woman, what have you to sell?" "Good things, pretty things," she answered; "stay-laces of all colours," and she pulled out one which was woven of bright-coloured silk. "I may let the worthy old woman in," thought Snow-white, and she unbolted the door and bought the pretty laces. "Child," said the old woman, "what a fright you look; come, I will lace you properly for once." Snow-white had no suspicion, but stood before her, and let herself be laced with the new laces. But the old woman laced so quickly and so tightly that Snow-white lost her breath and fell down as if dead. "Now I am the most beautiful," said the Queen to herself, and ran away.


・for=なぜなら
・envy=嫉妬
・pedler=peddler=行商人
・disguise=変装
・pretty=しゃれた
・stay-lace=コルセットのひも
・woven=weaveの過去分詞:「編んだ」
・worthy=立派な
・unbolt=~のかんぬきをはずす
・fright:look a frightで「異様に見える」という意味のようなので、 ここでは、コルセット、あるいは服のひもの結び方がなってない、と言っているのだと思う。
・lace=~をひもで縛る〔むすぶ〕
・properly=ちゃんと
・for once=今回だけは、一度くらい


そこで、どうにかして、白雪姫をころしてしまいたいものだと思いまして、またあたらしく、いろいろと考えはじめました。女王さまは、国じゅうでじぶんがいちばんうつくしい女にならないうちは、ねたましくて、どうしても、安心していられないからでありました。
 そこで、女王さまは、おしまいになにか一つの計略(けいりゃく)を考えだしました。そしてじぶんの顔を黒くぬって、年よりの小間物屋(こまものや)のような着物(きもの)をきて、だれにも女王さまとは思えないようになってしまいました。こんなふうをして、七つの山をこえて、七人の小人(こびと)の家にいって、戸をトントンとたたいて、いいました。
「よい品物(しなもの)がありますが、お買いになりませんか。」
 白雪姫はなにかと思って、窓(まど)から首をだしてよびました。
「こんにちは、おかみさん、なにがあるの。」
「上等(じょうとう)な品で、きれいな品を持ってきました。いろいろかわったしめひもがあります。」といって、いろいろな色の絹糸(きぬいと)であんだひもを、一つ取りだしました。白雪姫は、
「この正直(しょうじき)そうなおかみさんなら、家の中にいれてもかまわないだろう。」と思いまして、戸をあけて、きれいなしめひもを買いとりました。
「おじょうさんには、よくにあうことでしょう。さあ、わたしがひとつよくむすんであげましょう。」と、年よりの小間物屋(こまものや)はいいました。
 白雪姫は、すこしもうたがう気がありませんから、そのおかみさんの前に立って、あたらしい買いたてのひもでむすばせました。すると、そのばあさんは、すばやく、そのしめひもを白雪姫の首をまきつけて、強くしめましたので、息ができなくなって、死んだようにたおれてしまいました。
「さあ、これで、わたしが、いちばんうつくしい女になったのだ。」といって、まま母はいそいで、でていってしまいました。


Not long afterwards, in the evening, the seven dwarfs came home, but how shocked they were when they saw their dear little Snow-white lying on the ground, and that she neither stirred nor moved, and seemed to be dead. They lifted her up, and, as they saw that she was laced too tightly, they cut the laces; then she began to breathe a little, and after a while came to life again. When the dwarfs heard what had happened they said, "The old pedler-woman was no one else than the wicked Queen; take care and let no one come in when we are not with you."


・stir=目覚める
・no one else than~=~以外の人ではありえない、~に違いない


それからまもなく、日がくれて、七人の小人(こびと)たちが、家にかえってきましたが、かわいがっていた白雪姫が、地べたの上にたおれているのを見たときには、小人たちのおどろきようといったらありませんでした。白雪姫は、まるで死人のように、息もしなければ、動きもしませんでした。みんなで白雪姫を地べたから高いところにつれていきました。そして、のどのところが、かたくしめつけられているのを見て、小人たちは、しめひもを二つに切ってしまいました。すると、すこし息をしはじめて、だんだん元気づいてきました。小人たちは、どんなことがあったのかをききますと、姫はきょうあった、いっさいのことを話しました。
「その小間物売(こまものう)りの女こそ、鬼(おに)のような女王にちがいない。よく気をつけなさいよ。わたしたちがそばにいないときには、どんな人だって、家にいれないようにするんですよ。」と。


But the wicked woman when she had reached home went in front of the glass and asked---


"Looking-glass, Looking-glass, on the wall,
Who in this land is the fairest of all?"


and it answered as before---


"Oh, Queen, thou art fairest of all I see,
But over the hills, where the seven dwarfs dwell,
Snow-white is still alive and well,


And none is so fair as she."


わるい女王の方では、家にかえってくると、すぐ鏡(かがみ)の前にいって、たずねました。

「鏡や、鏡、壁(かべ)にかかっている鏡よ。
 国じゅうで、だれがいちばんうつくしいか、いっておくれ。」

 すると、鏡は、正直(しょうじき)にまえとおなじに答えました。

「女王さま、ここでは、あなたがいちばんうつくしい。
 けれども、いくつも山こした、
 七人の小人(こびと)の家にいる白雪姫は、
 まだ千ばいもうつくしい。」


When she heard that, all her blood rushed to her heart with fear, for she saw plainly that little Snow-white was again alive. "But now," she said, "I will think of something that shall put an end to you," and by the help of witchcraft, which she understood, she made a poisonous comb. Then she disguised herself and took the shape of another old woman. So she went over the seven mountains to the seven dwarfs, knocked at the door, and cried, "Good things to sell, cheap, cheap!" Little Snow-white looked out and said, "Go away; I cannot let any one come in." "I suppose you can look," said the old woman, and pulled the poisonous comb out and held it up. It pleased the girl so well that she let herself be beguiled, and opened the door. When they had made a bargain the old woman said, "Now I will comb you properly for once." Poor little Snow-white had no suspicion, and let the old woman do as she pleased, but hardly had she put the comb in her hair than the poison in it took effect, and the girl fell down senseless. "You paragon of beauty," said the wicked woman, "you are done for now," and she went away.


・saw:see(理解する)の過去形
・plainly=はっきりと
・witchcraft=魔法、魔力
・understood=~の扱い方を心得ていた、~に通じていた
・poisonous=有毒な
・disguised herself=変装した
・let herself be beguiled=自分で自分の気を紛らわせて
・made a bargain=売買をした、取引をした
・hardly~than…=hardly~when…=~するがはやいか…
・had she=she had:倒置
・took effect=take effect(〔薬などが〕効く)の過去形
・senseless=意識を失った
・paragon of beauty=美の化身、絶世の美人
・are done=おしまいだ、終りだ


このことを女王さまがきいたときには、からだじゅうの血(ち)がいっぺんに、胸(むね)によってきたかと思うくらいおどろいてしまいました。白雪姫が、また生きかえったということを知ったからです。
「だが、こんどこそは、おまえを、ほんとうにころしてしまうようなことを工夫(くふう)してやるぞ。」そういって、じぶんの知っている魔法(まほう)をつかって、一つの毒(どく)をぬった櫛(くし)をこしらえました。それから、女王さまは、みなりをかえ、まえとはべつなおばあさんのすがたになって、七つの山をこえ、七人の小人のところにいって、トントンと戸をたたいて、いいました。
「よい品物(しなもの)がありますが、お買いになりませんか。」
 白雪姫は、中からちょっと顔をだして、
「さあ、あっちにいってちょうだい。だれも、ここにいれないことになっているんですから。」
「でも、見るだけなら、かまわないでしょう。」
 おばあさんはそういって、毒(どく)のついている櫛(くし)を、箱(はこ)から取りだし、手のひらにのせて高くさしあげてみせました。ところが、その櫛がばかに、白雪姫のお気にいりましたので、その方に気をとられて、思わず戸をあけてしまいました。そして、櫛を買うことがきまったときに、おばあさんは、
「では、わたしが、ひとつ、いいぐあいに髪(かみ)をといてあげましょう。」といいました。
 かわいそうな白雪姫は、なんの気なしに、おばあさんのいうとおりにさせました。ところが、櫛(くし)の歯(は)が髪の毛のあいだにはいるかはいらないうちに、おそろしい毒が、姫の頭(あたま)にしみこんだものですから、姫はそのばで気をうしなってたおれてしまいました。
「いくら、おまえがきれいでも、こんどこそおしまいだろう。」と、心のまがった女は、きみのわるい笑いを浮かべながら、そこをでていってしまいました。

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