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英語で小泉八雲『耳なし芳一』(7)

原作は著作権フリーのThe Project Gutenberg、日本語訳は青空文庫、戸川明三訳


高貴と思われる人々の前で琵琶を弾き、その人々を感激させ、これから後六日間、毎日来て琵琶を弾いてくれ、そしてこのことは誰も話さぬようにと言われた芳一ですが…

It was almost dawn when Hoichi returned; but his absence from the temple had not been observed,-- as the priest, coming back at a very late hour, had supposed him asleep. During the day Hoichi was able to take some rest; and he said nothing about his strange adventure.


・dawn=夜明け
・absence=不在、留守
・observe=~に気づく
・supposed him asleep=彼が眠っていると思った
・take some rest=少し休む
・adventure=冒険

芳一の戻ったのはやがて夜明けであったが、その寺をあけた事には、誰れも気が付かなかった――住職はよほど遅く帰って来たので、芳一は寝ているものと思ったのであった。昼の中芳一は少し休息する事が出来た。そしてその不思議な事件については一言もしなかった。


In the middle of the following night the samurai again came for him, and led him to the august
assembly, where he gave another recitation with the same success that had attended his previous performance. But during this second visit his absence from the temple was accidentally discovered; and after his return in the morning he was summoned to the presence of the priest, who said to him, in a tone of kindly reproach:--


"We have been very anxious about you, friend Hoichi. To go out, blind and alone, at so late an hour, is dangerous. Why did you go without telling us? I could have ordered a servant to accompany you. And where have you been?"


Hoichi answered, evasively,--


"Pardon me kind friend! I had to attend to some private business; and I could not arrange the matter at any other hour."


・come for=~を迎えに来る、~を連れに来る
・august=【形】 威厳のある、恐れ多い
・assembly=集会、会合
・where=in the assembly
・attend=【他動】 (物・事が)~に伴う
・the same success that had attended his previous performance=前回の演奏のときと同じ成功
・accidentally=【副】 偶然に、うっかりして、図らずも
・was summoned to~=~に呼び出される
・the presence of~=~がその場にいること
・in a tone of =~の口調で
・kindly=【形】思いやりのある、優しい
・reproach=【名】 非難、叱責
・I could have ordered a servant to accompany you.:仮定法過去完了、過去の事実と反対のことを表す。この場合は「(実際にはしなかったが)知っていればそう言いつけたのに」ということ。
・evasively=あいまいに
・Pardon me=許してください
・attend to some private business:attend to one's business=事務を執る、商売に精を出す、なので、ここでは「ちょっと自分の用をする」
・arrange=都合する、手筈を整える、段取りをつける
・arrange the matter at any other hour=そのことを他の時間にするように都合する

翌日の夜中に侍がまた芳一を迎えに来て、かの高貴の集りに連れて行ったが、そこで芳一はまた吟誦し、前囘の演奏が贏ち得たその同じ成功を博した。しかるにこの二度目の伺候中、芳一の寺をあけている事が偶然に見つけられた。それで朝戻ってから芳一は住職の前に呼びつけられた。住職は言葉やわらかに叱るような調子でこう言った、――
『芳一、私共はお前の身の上を大変心配していたのだ。目が見えないのに、一人で、あんなに遅く出かけては険難だ。何故、私共にことわらずに行ったのだ。そうすれば下男に供をさしたものに、それからまたどこへ行っていたのかな』
 芳一は言いれるように返事をした――
『和尚様、御免下さいまし! 少々私用が御座いまして、他の時刻にその事を処置する事が出来ませんでしたので』


The priest was surprised, rather than pained, by Hoichi's reticence: he felt it to be unnatural, and suspected something wrong. He feared that the blind lad had been bewitched or deluded by some evil spirits. He did not ask any more questions; but he privately instructed the men-servants of the temple to keep watch upon Hoichi's movements, and to follow him in case that he should again leave the temple after dark.


・pained=【形】不愉快な、立腹した
・reticence=【名】 無口、口が重いこと
・he felt it to be unnatural:it=Hoichi's reticence、 unnatural=不自然な
・suspect=【他動】 ~ではないかと疑う[うすうす感じる]、~だろうと思う
・something wrong=何かおかしい
・fear=【他動】 ~を恐れる、心配する
・lad=若者、青年
・bewitch=【他動】 ~に魔法をかける、(魔法で(人)を)言いなりにする
・delude=【他動】 (人を)だます、欺く
・evil spirit=悪霊、悪魔
・文の構造:he privately instructed the men-servants of the temple to keep watch upon Hoichi's movements, and to follow him in case that he should again leave the temple after dark
・privately=内密に、ひそかに
・instruct=指示して~させる
・keep watch on(upon)=~を見張る、~を監視[警戒・警備]する、~に目を光らせる
・in case that=もし(that 以下)の場合には
・should=【助動】 (万一)~ならば

住職は芳一が黙っているので、心配したというよりむしろ驚いた。それが不自然な事であり、何かよくない事でもあるのではなかろうかと感じたのであった。住職はこの盲人の少年があるいは悪魔につかれたか、あるいは騙されたのであろうと心配した。で、それ以上何も訊ねなかったが、ひそかに寺の下男に旨をふくめて、芳一の行動に気をつけており、暗くなってから、また寺を出て行くような事があったなら、その後を跟けるようにと云いつけた。


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